そして2007年に建築基準法改正がありました。そのため2008年には10万6609戸に下がりました。
これは、その改正内容というより、行政側の建築申請基準の不足と運営規定の不備など問題となりました。それで住宅着工を下げるキッカケとなりました。ただその背景には、ミニ住宅バブルによる在庫の積み上げがあります。ミニ住宅バブルの13万戸以上という着工・契約が回っている時はいいのですが、それを行政がイレギュラーで止めてしまったために、回転がおかしくなりました。自転車の前輪ブレーキがかかってしまい、後輪はまだフル回転しているため、ひっくりかえってしまうのと一緒です。
そして、その傷が癒えたかどうかという2009年にリーマンショックがあり着工は9万5294戸とバブル崩壊以来再び10万戸を割りました。
あまりに大きな倒産のために、身の回りには何も起きていないのですが、誰もが大きな不安を持つたため、購買心理が大きく低迷しました。また、株式市場が大きく下落したのも影響しています。企業側は土地を買う資金が銀行よりストップしてしまい、お金は入ってこないが、返さなければいけないお金が多いという、キャッシュフローの逆転が起きました。
2010年にはリーマンショックからの回復をみせ11万3427戸となりました。
これは、マンションとの開発時期の違いによるものです。
マンションは土地を買ってから開発・販売までに1年以上の時間がかかりますが、戸建は土地を買ってから販売までが早ければ1ヶ月で通常3ヶ月ぐらいです。
リーマンショックによってみな土地の購入がストップしましたが、その解禁も同時スタートでした。そうなると、この開発期間の差で、戸建は販売があるがマンションの販売は無いので、お客様は仕方なく戸建を買うという事態がおきました。
戸建が「わが世の春」を謳歌した、幸せな1年でした。
それが、あと1年は続くはずでしたが、東日本大震災により、突然の方向転換になりました。
従来の地震に強い住宅に加えて、地盤が安心でなければならなくなりました。その「安心」を満たした住宅は売れていますが、そうでない住宅がまだ在庫としてあります。それは阪神大震災の後のように、しばらく着工不振につながるものです。
それに、放射能ホットスポットと節電が加わり、戸建分譲の適地が大きく変わりました。
2011年はそれが明確になる年です。