2011年における新築一戸建て分譲のあるべき姿です。
これをモデルに購入しようとする物件の基準としてください。
近い将来起こると想定される震度7に耐える構造でなければダメです。
構造計算書や性能評価書で確認できればいいですが、それがなくても震度7に耐える構造になっていることを確認する必要があります。ただ、ほとんどの建物は大丈夫です。
基礎はベタ基礎が通常です。
液状化による不同沈下が起きない住宅でなければダメです。
行政のハザードマップで対象地域であるかを確認し、もし対象地域に入っていれば、地盤対策を行う必要があります。望ましいのは杭をしっかり打ってあることです。販売業者に確認しましょう。
新築一戸建ては「木造軸組工法」が多いです。
これは木を構造材として使っているのですが、その木をプレカット加工したものがほとんどです。CAD設計をしてそれを工場の機械で加工しますから、加工間違いやミリ単位以下の狂いがほとんどなく、木の軸組の精度が飛躍的に向上しました。
工事現場ではそれを正しく組み上げるだけで、寸分の狂いのない住宅ができます。そのために、雨漏りや地震に弱い家などの欠陥住宅と呼ばれるものが激減しました。
次世代省エネ仕様が望ましいです。
壁の省エネ性と窓の断熱性があり、床断熱に天井断熱がついているとベストです。
こうなると結露もなく、安心して暮らすことができます。
それに高効率給湯器がついていて、魔法瓶浴槽があると月々のガス代が助かります。
太陽光発電は設置費用が100万以上と高く、ついているとその分販売価格に上乗せさせられていますので、無くてもいいです。
入居後に省エネ性の高いエアコンと遮光カーテンをつけるとさらにいいでしょう。
床暖房があるとさらに良いです。ほとんどがオプションですが、後付は費用がかかるので、余裕があれば、是非つけたい設備です。
対面キッチンが良いです。
子供がキッチンテーブルで宿題をしているとか、一緒に料理をするとか、お父さんがリビングでテレビをみているなど家族のコミュニケーションが高まります。一時期話題となった「頭の良くなる家」でとりあげられたポイントです。
それと、天板は料理のしやすいスペースがあるのが通常です。2550ミリ以上あれば大丈夫です。
食器洗い機はなくてもいいでしょう。入居以前のアンケートでは要望の多い項目ですが、いざ入居した後「使わない設備」のトップです。結構な時間がかかり、水と電気代がかかります。
同じく、「頭のよくなる家」でとりあげられたものです。
子供が返ってきた時に必ずリビングを通り、お母さんと「ただいま」「お帰り」の声があることが大切です。家族の絆は、まず話すことから始まります。そのためにはリビング階段は重要な役割を果たします。
現在よくつかわれる一畳タイプのシステムバスはとても良いです。明るくて、清潔で、広くて、使いやすくて、掃除がしやすいです。
賃貸住宅にはなかなか無いもので、新築一戸建てに住んだ人のほとんどが「良い」と評価するものです。
主寝室にウォークインクローゼットは必要です。
奥様の洋服などしまうのに必須です。1.5畳あるととても使いやすいですが、通常は1畳タイプですので、奥行きと高さを工夫して使えば、十分に使えます。
あと玄関収納は、1800ミリワイドで高さ2100ミリあると、靴などを十分に収納できます。その他、ゴルフクラブやスキーが収納できるものはなかなかありません。
リビング収納において、掃除機がどこに収納できるかは確認する必要があります。
そして、和室収納で冬の布団がしまえるかと予備の布団がしまえるかは確認しましょう。
洗濯物と布団を干すのに、2階バルコニーの日当たりは重要です。
最低でも3時間は日が当たる必要があります。建物の向きと周辺の建物と太陽の動きを考えれば計算できます。
それと、バルコニーの向きですが、南側向いているのが一番よいのです。しかし、大きな道路に面しているとなると、洗濯物が干しずらくなります。かといって北向きだと日当たりが悪くなります。日当たりを優先して、プライバシーは何らかの工夫を考えるのがよいと思います。
12畳以上をおすすめします。ソファーとテレビを置くと、結構なスペースが必要になりますので、11畳以下では少し窮屈です。
それと、南に向いているのがベストです。冬場のポカポカとした暖かな時間はたまりません。ただ、なかなか南向きで日当たりのよい物件はありません。そのような物件が買えたら貴重です。
電動シャッターはとても楽です。
一昔前は、雨戸を開け閉めしなければならず、結構大変でしたが、電動シャッターなら楽々です。それが二階までついているとベストです。
ウォシュレットは必要です。当然、暖房便座機能付きです。これは日本の住宅が世界に誇れるものです。
それに結構水を使いますから、節水型だとよりいいです。
また、二階にウォシュレットがついていない場合が多いので、要注意です。
ワンボックスカーが多いのですが、前面道路よりうまく駐車場に入れられるか、建物との関係などがあり、よく見ておく必要があります。
さらに、自転車をどこに置くかが大切です。玄関周辺で、雨に当たらずにおける場所があればとても良いですが、ほとんどは置く場所がありませんので注意が必要です。
防犯はとても大切です。警備会社による設備もいいですが、そうでなくてできることがあります。
必須は、玄関のインターホンのカラー録画機能付きです。訪問者がすべて記録されるので、犯罪者は嫌がります。
さらに、浴室窓とかトイレの窓など建物の裏側の開口部は人が入れない30センチ以下の窓になっていなければなりません。
そして、最も防犯によいのが「声掛け」「他人の目」です。
分譲地で道路が通り抜けできない作りであると、住民以外の人がいるとすぐにわかります。犯罪者のほとんどは、このような分譲を避けます。
特に5~6棟ぐらいで他人はめったに入らなくて、いつも道路で子供が遊んでいるような分譲地はまず狙いません。
そうでなければ、他人がいれば「声掛け」をすると犯罪者は嫌がります。
また、夜に照明がついていても嫌がります。夜間常時灯がついている分譲地は、景観を美しくするためだけでなく、防犯のためにやっているのです。
防犯は「音・光」です。駐車場センサーライトや住宅の横の音のする砂利なども有効です。
外壁には、左官塗りと工業製品を貼る二つの方法があります。
性能・機能的にはどちらも大差はなく、メンテナンス性も変わりません。変わるのはデザイン性ですが、それも最近は大差ありません。むしろ設計者のセンスに大きく左右されるでしょう。
分譲ならではの美しい街並みができるのが外観デザインです。
一番多いのが「シンプルモダン」で、都会向きの直線をベースにしたものです。
分譲ならではなのは「南欧風」でしょう。南フランスの街のような、白と黄色や橙色をベースにした街並みは、別世界を形成します。
その他、アメリカカントリー風や英国風や北欧風などいろいろあります。
この美しい街並みは新築一戸建て分譲のみのもので、できればそういうものを選びたいものです。
テレビの地上デジタルは必須となりました。
インターネットをどうするかですが、できれば家の中は無線LANでネット環境を整えるのがいいでしょう。
例えばNTTの光なら、電話の配線板のところに無線LANをつければ、各部屋の複合コンセントから有線LANもとれる上に、無線LANも受信できます。これはPCの他に、スマートフォンなどにも使えるのでおすすめです。