投稿日:2017年5月18日
新築一戸建て分譲の市場規模は販売ベースで4兆円超えです。
新築一戸建て建分譲の住宅着工は2016年度(2016年4月から2017年3月の一年間:国土交通省調べ)で13万4700戸でした。
そして新築一戸建て分譲の販売平均価格は3156万円(2016年度全国平均:戸建分譲研究所調べ)でした。
ですので、新築一戸建て分譲の市場規模は「着工戸数13.4万戸×平均価格3156万円=4兆2500億円」となります。
ただし、これは着工ベースですので供給サイドよりの市場規模といえます。
では需要サイドでの市場規模を計算してみます。
まず新築一戸建て分譲の契約の7割を賃貸住宅に住んでいる人が買います。また8割を25歳から39歳の人が買います。
国勢調査の民営借家で核家族世帯数の中で「夫婦のみ」+「夫婦と子供」の世帯数で25歳から39歳は180万6057世帯います。
この8割以上が持家となります。となると180万6057世帯×80%=144万4846世帯が持家購入予備軍となります。
これらが15年間に持家購入すますので、15で割ると9万8732世帯が一年間発生見込みとなります。
これが新築一戸建て分譲の7割になるので、逆算すると13万7604世帯となります。
図らずも2016年度の住宅着工に似た数字となりました。
国土交通省の住宅土地統計調査によると全国の平均家賃は5万5162円です。家賃並み住宅ローン相当額が購入希望価格とすると、現在の金利1.3%で計算すると2472万円となります。これに頭金が平均500万円(リクルート調査による)を足すと2972万円が需要希望価格となります。
そのため需要市場価格は「13.76万世帯×2972万円=4兆894億円」となります。
しかし、民営借家の25歳から39歳の核家族は戸建分譲のみならず分譲マンションも購入検討する人がいます。そのため持家購入予備軍=戸建分譲潜在需要といえますが、分譲マンションとの取り合いもあるということになります。
直近のマンションは土地高騰+建設費高騰により販売価格が上がり、住宅一次取得層(25歳から39歳)の平均年収600万円以下では買えなくなってきています。また、大都市集中で地方でも建設はほとんどありません。そのために地方・郊外・低価格を中心に潜在需要がほとんど戸建分譲に走っているといえます。
つまり新築一戸建て分譲の供給サイドからの市場規模は4兆2500億円で、需要サイドからの市場規模は4兆894億円となり、2016年度は供給が1606億円多かったと言えます。
超低金利で低年収層が動いたことと、分譲マンションで一般世帯が買える物件が少なかったことによるものです。