投稿日:2016年12月6日
国土交通省より10月分の住宅着工が発表になりました。戸数としては前年同月比+13%と増えました。特に貸家が前年同月比+22%と大きく増えています。このペースで行くと今年度は43万戸になります。
空室率が問題になっている中でも建設意欲は旺盛で、相続税対策や金融緩和マネーの不動産投資ブームは続いていると言えます。
1951年よりの住宅着工の統計数字を集計すると貸家は2727万戸建設されています。国勢調査の借家世帯数は1800万なので、927万戸が空室もしくは解体されているといえます。
半分くらいが空室だと仮定すると500万戸近くの空室がありながら、新築貸家が43万戸も建設されているということです。日本人は「新築信仰」が強いとはいえ、この数字は異常とも言えます。
また住宅全体でみてみると住宅着工の総合計戸数は7100万戸あるのですが、国勢調査では5300万世帯しかありません。その差は1800万もあります。総務省は空き家が800万戸あると言ってますので、それが正しいとすれば1000万戸が解体されたということです。この解体戸数も異常といえるでしょう。建設費用が1000万円としたら100兆円が消えたということです。
住宅投資のマクロ経済学的アプローチとしては異常ですが、それはさしおいても、今年度の貸家43万戸は尋常な数字ではありません。