投稿日:2016年3月31日
2016年2月の住宅着工戸数が国土交通省より発表されましたが、7万2831戸で前年同月比+7.8%と伸びました。貸家が前年同月比+12.5%と増えたのと、分譲住宅が+9.6%と増えたのが伸びた要因です。
貸家は2万8871戸で前年同月比+12.5%と大きく増えました。最大戸数の東京都が5589戸で前年同月比+26%と大きく増えて、戸数で二番目の大阪府が2896戸で前年同月比+74%と大きく増えたのが全体を押し上げています。ただ21県と半分の県が前年同月割れしているので大都市集中と言えます。
分譲ではマンションが1万1752戸で前年同月比+9.9%と6ケ月振りに前年同月プラスとなりました。ただ最大戸数の東京都は前年同月比▼10.8%と依然として不振が続いています。それをカバーしたのが神奈川県の前年同月比+23%と大阪府の+64%です。こちらも横浜・大阪という大都市によるものです。北海道・東北7県ではわずか316戸しかありませんでした。また中国・四国も375戸しかなくて、マンションは大都市での着工がほとんどになっています。
分譲一戸建ては前年同月比+10.1%と増えました。東京都が1447戸で前年同月比+15%と増えていて、埼玉県が1398戸で前年同月比+30%と首都圏が好調です。そして愛知県が1026戸で前年同月比+50%と大きく増えて、戸数で3番目に入りました。愛知県は持家で1777戸で全国トップの戸数なので分譲戸建てを合わせた「戸建て」では2803戸で東京都の2718戸を超えて、全国最多の戸建て市場となっています。主には超低金利による買い時感の高揚にあると考えられます。
持家は前年同月比+0.8%と伸び悩みました。戸数でトップの愛知県は前年同月比+16%と増えたのですが、首都圏が▼6.8%と低迷しました。神奈川県の▼25%が足を引っ張っています。神奈川県は分譲戸建ても▼25%と低迷しているので戸建て全体で低迷しています。建築偽装の影響と震災予測により防災で不安なエリアの積算価格が上がり、商談が長引いているためです。また九州もマイナスとなりました。福岡県はインバウンドで景気が良くて前年同月比プラスとなったのですが、その他がマイナスとなっています。人口流出の影響で、新築需要が減退しているためです。