投稿日:2016年1月29日
国土交通省より新設住宅着工の2015年12月が発表されました。全体戸数は7万5452戸で前年同月比▼1.3%減りました。前月の11月は前年同月+2.7%でしたが、10月は前年同月▼2.5%なので直近3ケ月で2ケ月がマイナスとなり、マイナス傾向といえます。
業態別にみると、持家は2万2440戸で前年同月比▼5.4%と8ケ月振りにマイナスに転じました。最多戸数の愛知県が1523戸・▼6.9%で、二番目に神奈川県で1351戸・+2.6%で、三番目が埼玉県で1368戸・▼0.4%と主要県がマイナスとなっています。さらに東京都は▼16%と大きくマイナスとなり戸数において4番目に転落しました。全国でみると33県が前年同月マイナスと全国的にマイナスとなっています。地価の高騰が影響して、「土地無し客」といわれる建築条件付き土地分譲により注文住宅を建てる客が減ってしまっているためです。
貸家は3万3735戸で前年同月比+3.9%と増えています。前月に続いての前年同月プラスとなりました。戸数で最多の東京都が6108戸で前年同月比+20%と大きく増えたのが全体を押し上げました。ただ近畿圏は▼15.3%と大きく減らしています。近畿圏最大の大阪府が前年同月比▼11.3%と減らしたためです。中心部の土地は貸家よりもホテルやオフィスやマンションにすることが多くなっているためです。
マンションは7534戸で前年同月比▼13.5%と最大の落ち込みとなっています。これで4ケ月連続でマイナスとなっています。さらに9月以降は4ケ月連続で1万戸れとなり、深刻な不振となっています。戸数で一番多い東京都が2677戸で前年同月比▼11.6%と減ったのが不振の主要因です。逆に近畿圏では前年同月比+32%と増えて、大阪府は前年同月比+70%と大きく増えています。ただ100戸以上の着工したのはわずか14県しかなくて三大都市圏以外は前年同月比▼18%と地方でのマンションは少なくなっています。
新築一戸建て分譲は1万1188戸で前年同月比+3.9%と増えています。2ケ月連続で前年同月比プラスとなり、2ケ月連続で1万1000戸超と着工の大きなピークを迎えています。三大都市圏以外の地方が前年同月比+13%と大きく増えているのが要因です。宮城県が前年同月比+31%と大きく増えて、福岡県がインバウンド景気などで+62%と増えています。ただ最大戸数の東京都は前年同月比▼0.3%で、二番目の神奈川県が▼0.7%とマイナスになっています。土地高騰により販売価格が上がりすぎてしまうので新規事業が減っているためです。ただ三番目の埼玉県は前年比+12.7%と首都圏の落ち込みをいってに引き受けています。ただ契約好調というよりも、次の消費増税駆け込み需要目当ての着工といえて、多すぎる感があります。
4月から12月の累計では70万4147戸となり前年同月比プラス4.3%となっていますが、1月から3月を前年同期の20万5152戸でいけば90万9299戸となんとか90万戸を超えます。またここ3ケ月平均の▼2.1%となると20万4721戸となり累計で90万8868戸となります。