投稿日:2015年12月4日
新築一戸建て分譲住宅の2015年度上半期(4月から9月)は契約戸数・契約金額共に微減となりました。
戸建分譲研究所の戸建分譲データベースで集計したところ、新築一戸建て分譲住宅の2015年上半期(4月から9月)の全国の契約戸数は6万1389戸で前年上半期の6万1949戸から▼0.9%減りました。新規販売戸数は5万7377戸で前年同期比▼8.1%と減りましたが、4月スタートの初期在庫が5万2621戸あったために、前年よりの繰り越し在庫を契約したために、新規販売は少なくても契約戸数は前年並みを維持しました。
契約平均価格は3244万円で前年同期の3221万円から+0.7%(+23万円)上げました。新規販売平均価格が3338万円で前年同期の3283万円より+1.7%(+55万円)上げたのですが、それよりは▼32万円低くなっています。土地代や建設原価が上がっているのですが、実質所得の伸びの鈍さと消費支出の低迷があるためです。
それで契約戸数×契約平均価格での契約金額は1兆9915億円となり、前年同期の1兆9954億円から▼0.2%(▼39億円)と微減となりました。
つまり「契約戸数は微減、契約価格は上昇で、契約金額はほぼ一緒」となりました。
ただ契約金額帯別の契約戸数をみると、1980万円以下の契約戸数が前年同期比+17%と大きく増えたのですが、3000~3980万円契約戸数は前年同期比▼20%と減らしています。やはり消費者の低価格節約嗜好と中価格帯の持ち家志向の低下が表れています。
総務省の「住生活に関する調査」の2015年10月調査の内容をみると、30歳から34歳の持家所得意向が46.1%となり以前の調査から大きく後退しています。本来なら50%を超えているものが、▼5%以上下げています。理由としては「多額の住宅ローンを抱えたくない」というものが多いのですが、その裏には、将来所得見込みの減退と親の持家があるのでいずれリフォームして住むので今は賃貸でもいいというものがあります。さらに震災リスクなどがあり「所有への不安」があるといえるでしょう。その意味では「杭打ち偽装」が30歳にマイナスの影響を与えているといえます。