投稿日:2015年7月7日
新築一戸建て分譲住宅の6月の新規販売戸数は9587戸で前年同月比▼1%で微減となり、8ケ月連続で1万戸割れとなり低下傾向です。
月別の新築一戸建て分譲住宅の新規販売戸数と住宅着工戸数の比較をみると
新築一戸建て分譲住宅の新規販売戸数は昨年の4月から7月は平均で1万戸を超えていましたが、11月に1万戸を割ってから6月まで8ケ月連続で1万戸割れと減少しています。特に4月は9191戸と直近の最低戸数となりました。5月はそれよりも少し増えて、6月も少し増えましたが1万戸にはとどきませんでした。需要の低迷による契約戸数の低迷があるためです。
そのため新設住宅着工の「分譲一戸建て」も今年1月以降は1万戸割れとなっています。5月は9148戸とここ一年での最低戸数となりました。前年同月比では▼8.8%と大きく減っています。
背景としては需要の減少です。特に低所得層の実質所得の減少により住宅にかける費用が減っています。総務省の家計調査報告における「住居」の「民営借家の家賃」は稼働率修正したものをみると減少の一途です。
家計調査報告の中の「二人世帯以上の勤労世帯」における「住居の民営借家の家賃」を家賃発生率修正してみると、昨年の4月・5月には7万円を超えていたのが、昨年8月以降は6万8000円と7万円の間を上下しています。平均で6万9315円になるので前年同期比較で▼2%下げています。
これを家賃並みの住宅ローン換算にすると購買可能価格が▼80万円下げていることになります。それで、年収400万円以下の勤労世帯が住宅ローン借り入れ可能額が減ってしまったのです。
そこに土地価格の上昇と資材費・労務費の上昇により新規販売価格が上がっているので、需要が減少してしまっているのです。また価格差ができてしまっているので完売までの販売期間が延びています。そのため販売回転率が落ちているのと、粗利率が落ちています。
これらのために土地価格が地元需要価格よりも高くなってしまい、新規事業化がしずらくなっているので新規販売が減少傾向になり、住宅着工戸数が減少しています。
今後は、ただ価格志向だけの物件は地元需要価格とのかい離により低迷してしまい、嗜好的に魅力のある付加価値のついた物件でないと通常の販売・契約ができなくなる時代といえます。