投稿日:2015年3月25日
新築一戸建て分譲の最近の着工が多いのはどの市なのか調べてみたら、全国トップはつくば市で2012年度比で+156.8%増えているので2.5倍になっていました。次いで西東京市で三番目は印西市となり、やはり首都圏の郊外が多く着工されています。大都市圏の中心部の土地の価格が上がっているために用地取得をあきらめて、大都市圏の需要を狙って郊外で比較的に土地価格の安いエリアで新築一戸建て分譲を着工しているためです。
2014年4月から2015年1月の累計の住宅着工戸数と比較するにあたって、2013年度を使うと消費増税駆け込み着工が多くて需要をはるかに超えた異常値であるものが多いために比較的に平穏であった2012年度の戸数と比較しています。またイレギュラーを省くために今年度9ケ月で100戸以上の着工のあった市を対象としています。
その結果としてつくば市が全国トップの伸びで+156.8%と大きく増えました。つくば市は中心地は商業集積なども高くて土地も高いのですが、その高集積の範囲が狭くて駅徒歩30分となると田園風景となり、土地価格は坪20万円以下となります。そのためつくばエクスプレスで都心まで1時間以内で行けて、駅徒歩30分前後を3000万円以下で販売することができるので開発が増えて、着工が多くなりました。
二番目は西東京市で+150.5%と増えました。ここは練馬区の隣接となりますが、東京23区の練馬区では販売平均が5231万円となり手が届かなくなっているのですが、似た環境である西東京市なら販売平均4212万円と手が届くために人気が出たのです。やはり1000万円安いとなると23区でなくても東京都なら我慢して買おうということになったようです。
三番目は印西市で141.7%増えました。販売平均価格は3099万円と決して安くはないのですが、土地の平均が180㎡で建物が107㎡と「庭付き一戸建て」の典型といえます。やはり日当たりが良くて、リビングが大きくて、ウォークインクローゼットがあって、芝生の庭があるという「夢のマイホーム」は根強い人気があるといえます。
このように今年の住宅着工の戸数の増加をみると「庭付き一戸建て」という古いオーソドックスなと姿が蘇っていると言えます。一時期は都会の利便性を求めて「都心の狭小3階建て」がはやりましたが、一時期の徒花となつたともいえます。