投稿日:2015年2月26日
本日より「空家等対策の推進に関する特別処置法」が施工されて効力を発揮しはじめました。大きな点は「特定空家等は固定資産税の住宅用特例を解除する」ということです。つまり行政から空家だから撤去しろと言われたのに撤去しないと固定資産税が6倍になるということです。
昨年などから「空家問題」がクローズアップされてこの法律が成立したのですが、空家問題の根本的解決とはほど遠くて、経済的理由などから仕方なく空家にしている人たちなどを追い込むだけです。
空家になっているものの代表的な例として、親の家から子供は独立していたところ親が死亡して誰も住まなくなったため空家になってしまったのです。その家にいろいろな理由から子供は住めなくて、売るにも買い手がいないなどの理由で空家となっているのです。そして建物解体してしまうと固定資産税が6倍になってしまうために、そのまま建物を残しているのです。
それを強制的に解体させて固定資産税を6倍にして払えというのでは解決策になっていません。それでは今後相続放棄が続出して、結局は空家が増えて行政が困るだけです。
現在空家となっている大半は、接道がないから再建築できないとか、建ぺい率・容積率が不足して再建築しても小さなものしかできないとか、地盤が弱いと指摘されて再建築するには地盤改良に多額の費用がかかるとか、そもそも周辺環境が悪くて子供世帯は住みたいと思わない、などです。それを強制的な法律を作ったら、ますます空家を取り巻く環境は悪化するだけです。
空家問題を解決するには「お上根性」で「上から目線」で物を考えるのではなくて、一軒一軒の地域事情とその家の歴史を踏まえて、一軒一軒の関係者の全ての事情を出した上で一番良い着地点をじっくり話しあうことです。手間がかかるのでお役人は嫌がるのでしょう。それなら、そういうことが得意な地域の不動産にまかせたらいいです。それも大手業者の言うことは聞かずに、街角の不動産屋の意見を聞くことです。もう「20世紀的高度成長・国家産業的・マスB to B政策」ではダメで、「21世紀的・ベンチャー的・個別C to C 最適解」でなければいけないのですが、永田町や霞ヶ関は今でも国家産業的発想から抜けられないようです。もっと進歩してください。