投稿日:2015年2月20日
新築一戸建て分譲で今週販売の中で総戸数100戸以上の大型分譲は39件ありました。その中で総区画数が1000戸以上の超大型開発現場の分譲は4件ありました。
一番総区画数が多いのが東急不動産のブランズガーデンあすみが丘東で総区画数は2320戸で今週の販売は8戸でした。場所が千葉市緑区なので土地が171㎡と大きいのですが販売価格は2990万円と3000万円を切っています。ただ最寄駅がJR外房線・土気駅で徒歩20分と人気が薄いものとなっています。1980年代には季美の森など千葉の外房での大型開発が人気であったのですが、現在は八王子などに移ってしまっています。この分譲も、郊外大型の土地というだけでなく、何か2015年的なプラスアルファが無いと魅力としては薄くなります。
そして神奈川県藤沢市で三井不動産のファインコートFujisawaSSTが辻堂元町の1000区画大型開発で販売されています。ここは同じくパナホームも販売していて、スマートタウンとしての大型分譲になっています。販売価格は三井不動産が4990万円でパナホームが5290万円と高くなっています。辻堂というと以前は人気の場所でしたが、東南海大地震の津波予測が出てからは人気が引いてしまいました。しかし、「人の噂も77日」ではないですが震災の恐怖が少しづつ薄れていて人気が少し戻っているところです。
そしてその震災により人気が出てきたのが八王子です。山ということで地盤の硬さで震災被害がほとんど無いという予測のためと、水と空気がきれいというためです。その八王子では大型開発がたくさんありますが、現在販売中で一番大きいのが堀之内で積水ハウスが681区画で販売しています。販売価格は5730万円と高いです。土地125㎡で建物が106㎡ですので一般の新築一戸建て分譲よりは大きいですが、大型分譲の平均値である土地150㎡よりは小さくなっています。ただ最寄駅徒歩12分というのは超大型分譲としては近いものです。そして八王子はみなみ野シティの554区画やココロネットテラスの186区画など大型分譲が多くあります。
この大型分譲で一番高いのが大和ハウスの埼玉県吉川市美南のスマ・エコシティ吉川美南の全270区画で販売価格は7115万円です。これはJR武蔵野線の新駅の前に広がる超大型土地開発現場の一部となります。超大型開発だけあつてららぽーとやIKEAなど人気商業施設が出店しています。その点は良いのですがJR武蔵野線はどこかで乗り換えないと都心に向かえないのが人気が薄い原因となっています。そのためこの吉川美南の超大型開発はイマイチ人気が盛り上がっていません。そこで7115万円はかなり高いという印象です。
逆に一番安いのが1890万円で野田市みずきのグラファーレみずきの街ファミリーガーデン総区画数153区画です。最寄駅が東武野田線の梅郷駅で徒歩15分です。野田線はツグはエクスプレス乗り換えすれば都内まで意外と近いのですが、人気が薄かったのに加えて東日本大震災の時に地盤沈下とホットスポットのダブルパンチがありさらに人気が低下しました。ただそれらは辻堂のようにもう記憶が薄れてきていて人気が回復してもいいのですがなかなか戻りません。これは開発業者のPR不足によるものでしょう。梅郷駅から秋葉原まで乗車時間が40分くらいですから郊外からの通勤時間としては標準的です。それで土地か180㎡あって1890万円はお買い得といえます。それが建物が100㎡とごくごく普通のもので面白みがありません。区画や分譲地内道路も普通で、街としてのデザインや、植栽・花なども普通です。100戸以上の大型分譲の販売中が40件ある中で何の変哲もない分譲地なので、あえて選ぶ理由を広告で提示していないのです。これでは人気が出るはずがありません。
大型分譲地を買う理由は、「日当たりがいい」「街並みが美しい」「植栽や花があり自然豊かで心が豊かになる」「防犯がいい」「安心して遊べる公園があり子育て環境がいい」「土地が大きくて、建物が110㎡と大きくて収納が多いな間取りが使いやすい」「庭付きで駐車場は来客用まである」などあります。これらは東京23区内の物件には全て無いものです。それをきちんと広告すればいいものを、あえて夜景の写真を出すなど見当違いもはなはだしい広告になっています。たぶん広告を作っている人は郊外大型分譲に住んだことはなくて、家族が安心して豊かに暮らせる住宅がどれだけ貴重かを分かっていないのです。