投稿日:2015年2月18日
最近空き家に関する問題がクローズアップされています。昨年に発表された総務省の「平成25年住宅土地統計調査」では空き家率は13.5%と過去最高となりました。しかし、住宅着工統計と国勢調査を合わせて計算すると空き家率は18%となります。この差は実際には誰も住んでおらず「空き家」なのですが、名義人はおり固定資産税・電気水道料金などは払われているものが多いのです。例えば老人ホームに入っているが、自宅は売却せずにおいておくことがあります。また、病院の緩和ケアなどに入院していてもう一年以上帰っていないなどの「空き家」があります。
そして総合警備保障がこの空き家についてのアンケート調査を行ったのですが結果がとても面白いものでした。
質問「親が亡くなった後に親の家はどうしますか?」
親が存命中の回答は
①売る 29.8%
②相続しない 22.5%
③自分が住む 21.7%
となっていますが、親が亡くなって実際に決断したの回答は
①相続しなかった 36.4%(+13.9%)
②売った 22.7%(▼7.1%)
③自分が住んだ 12.1%(▼9.6%)
と大きく変化しています。
これは親が生きているうちは、その家を「空き家」にするつもりはないのですが、実際に相続すると、地区建築協定の㎡制限で建て直しできないとか、接道が無いとか、既存不適格で建て直すと小さくなるなどで売るに売れなくて固定資産税だけかかってくるし、住もうと思っても旧耐震であったり地盤が弱かったりするのでそのリフォームに1000万円以上かかるので住むのをあきらめることになります。
その結果として「空き家」が増えているのです。行政も相続人も実態をよく把握していないのが原因です。
そのためこの先の団塊世代が後期高齢者入りして死亡率が50%を超えてくる2025年には空き家率は確実に30%をこえることになります。その数は全国で2000万戸を超えるというものすごい数になります。
それらは解体するしかないのですが、ほとんどが相続放棄されているために行政が解体するかないでしょう。一棟当たり300万円とすると60兆円以上かかることになります。
これが本当の「空き家問題」です。