投稿日:2015年2月9日
住宅着工の統計が始まったのが1951年からです。その1951年度から2014年までの累計の着工戸数は6980万戸となります。その中で一番多いのが「持家」で2770万戸あります。次いで貸家の2680万戸です。分譲住宅は1380万戸ですからこの2つの半分くらいです。
その1951年以降の住宅着工戸数6980万戸の中で解体・滅失されたものは建築物逸失統計によると、直近6年で69.5万戸なので年平均で11.5万戸となります。それ以前の性格な統計が無いので推測で1980年以降に逸失が始まったとすると34年間で年11.5万戸で計算すると395万戸となります。とすると住宅着工累計6980万戸から逸失されたのが391万戸とすると現在ある建物は6589万戸となります。
そして最近話題の空き家はどのくらいあるかを住宅着工戸数をベースに考えてみます。
住宅取得平均年齢が35歳とされています。とすると1951年35歳で住宅を取得した人は2015年現在で99歳となります。その人の生存率は人口統計によると1%以下となります。この生存率を1951年の建物の空き家率とすると、1951年の住宅着工戸数21万戸のほとんどが空き家になっていると考えられます。または滅失されていると考えられます。
この人口生存率というマクロ数字と住宅着工というマクロ数字を合わせて空き家を計算すると1608万戸となり、ここなから除却391万戸を引くと空き家は1217万戸となります。現存建物が6589万戸ですから、空き家率は18.5%ということになります。
つまり全国で空き家は住宅着工と人口動態から考えると1217万戸で空き家率は18.5%となります。
そしてそれが10年後の2025年には空き家が2276万戸と現在より1000万戸も増えてしまい、空き家率は31.3%となり「3戸に一戸は空き家」という事態となります。
特に住宅着工というのは9歳未満人口増加数と強い相関関係があるので、若年人口が増加している首都圏や愛知県・大阪府などは空室率は低くなりますが、若年人口が減少している地方では空き家率は50%を超えるエリアが続出するといえます。これはある意味では高齢化率の追随数ともいえます。
つまり高齢化により所得税がなくなり、それを追って固定資産税もなくなるという地方にとってはダブルパンチになってしまうということです。