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2014年の人口移動報告で首都圏の転入超過が加速している。特に新築一戸建て分譲の住宅着工に影響する9歳以下の転入超過が首都圏で多い。

投稿日:2015年2月6日

総務省が2014年の人口移動報告を発表しました。県別の転出入では転入超過が7都圏のみで、1位の東京都から4位の千葉県まで首都圏でしめていて、首都圏の転入超過が10万9408人と圧倒的な人数で首都圏集中が加速しています。その逆に近畿圏は大阪府が転出超過となり京都府も転出超過となり近畿圏全体で▼1万2611人減っています。同じく中京圏も愛知県のみが転入超過ですがその他の圏は全て転出超過と下がりました。全国の県で転入超過は首都圏の4都県と愛知県・福岡県・宮城県のわずか7都県しかなくて、首都圏集中が目立っています。

この転出入において、働き始める20歳から24歳の転出入が肝心でその数字をみると東京都の転入超過が+4万4162人と圧倒的な人数で働き場が東京に集中しているのがわかります。この20歳から24歳の転入超過は首都圏の4都県と愛知県と大阪府だけです。この働く場の集中を改善しない限り、地方の衰退は免れないです。

これの逆に定年退職して年金世代となる65歳以上の転出入でみると東京都が▼1928人と最大となっています。定年したので地方に帰るのと、Iターンがおきているのです。それで65歳以上の転出超過は東京・神奈川・愛知・大阪府など大都市のみでその他の多くの地方は転入超過となっています。これにより地方の高齢化比率がさらに高くなってしまいます。

そして住宅着工を呼び起こす世代としては0歳から9歳の転入人数があります。

9歳以下の転入人数でみると、東京都がやはり一番で2万6650人います。それに対して新築一戸建て分譲の住宅着工戸数は2万384戸でその比率として0.76となり、転入した人の76%が新築一戸建てを購入したということになります。

二位の神奈川県は転入が1万6612人で新築一戸建ての住宅着工戸数が1万4503戸なので顕在化率は0.87となり高い比率となります。同じく5位の千葉県までの顕在化率の平均は0.84となり、9歳以下転入人数が新築一戸建ての住宅着工を呼び起こしているといえます。

ただ6位福岡県から24位の滋賀県までの顕在化率の平均は0.42となり上位県の0.87の半分となってしまっています。これは転入人数よりも転出人数の方が多いために、住宅ストックが余っているためです。

そして25位長崎県以下の平均は0.22と大きく減っています。これも転出人数が多いために、その人が住んでいた住宅が余ってしまうために新築一戸建ての住宅着工を引き起こさないということです。

これは新築一戸建て分譲だけに限らず、注文住宅においても賃貸住宅においても同じことです。9歳以下人口というのは子育て世代の世帯数に近いために、それらの住宅需要が減れば新築住宅需要も減ることになってしまいます。

この転出入の首都圏集中は新築一戸建て分譲の住宅着工の首都圏集中を招くことになります。

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