投稿日:2015年2月3日
新築一戸建て分譲の2014年12月の契約率は16.5%となり、好不調の基準である25%を大きく下回り契約低調でした。消費増税前の2013年4月から2014年3付までの一年間の平均契約率は25.4%と契約好調でしたが、消費増税後の2014年月から12月までは平均で16.4%と大きく落ち込んでいます。消費増税駆け込みの反動減ですが、契約戸数としてはそれほどの落ち込みはなくて、むしろ販売戸数の多さが契約率低迷の要因です。
2013年4月以降の月ごとの新築一戸建て分譲の契約率をみると
新築一戸建て分譲の契約率の好不調基準は25%です。これは新築一戸建て分譲は販売区画数が10戸以下のものが多いために「期分け販売」をせずに新規販売の時に全棟一斉売り出しをすることがほとんどです。また新築一戸建て分譲は着工から建物完成まで4ケ月以内でできることが多いのですが、この建物完成してお客様引き渡しができる時点で全棟完売しているのが理想的です。それが4ケ月なので月の契約率としては25%となります。
それが2013年4月から2014年3月までの消費増税前はほとんどの月で25%を超えていて平均で25.4%と契約好調の一年でした。それが消費増税となった2014年4月に16.8%と大きく落ちて、その後も25%どころか20%にも届かない月が続きました。そして平均で16.4%と好不調基準25%を大きく下回る結果となっています。
ただ2014年4月から12月までの月平均契約戸数は1万597戸なので年換算では12万7000戸となるので一昨年度並みの契約戸数はできています。この12.7万戸は新築一戸建て分譲住宅の基礎需要戸数よりも多いので、消費増税の反動減はみられないということになります。
そのため契約率の低迷の要因は需要にあるのではなくて、販売戸数が多すぎるという供給側に要因があります。つまり「供給不況」といえます。
その販売戸数は2014年4月から12月までの平均で6万4869戸もあり前年同期比で+29%も増えてしまっています。これは2013年4月から12月は契約好調で在庫が少ないくらいで推移したのですが、職人不足により工期が延びてしまい2013年11月の着工1万2000戸と12月の1万2000戸が消費増税期限の3月に間に合わなかったものがありました。それが在庫として乗ってしまったために2013年度に平均5万2000戸であっのが2014年度は6万戸を超えるものとなってしまったのです。
そして2014年4月以降も着工戸数が減らずに月平均で1万569戸と通常期と同じ戸数の着工があったのですが、契約は月平均1万597戸と着工戸数とほぼ同じ戸数となっているために過剰在庫を減らすことができていないのです。
つまり2014年度は「着工が月1万戸で通常通りで契約も月1万戸で通常通り。ただ在庫が1万戸多いために契約率は低迷した」ということになります。