投稿日:2015年1月24日
今週の新築一戸建ての首都圏の販売は3万2762戸ありました。12月末の3万6408戸からは▼3646戸減り契約が進んだようです。完成在庫が今週の販売では1万8421戸で12月末の2万4579戸から▼6158戸も減ったのが大きな要因です。販売広告されていないものもあるので全てが契約になったものではないですが、完成在庫の契約が進んでいるようです。
販売平均価格は3548万円で12月末の3552万円からは▼4万円ですからほとんど同じです。ただ完成在庫は3451万円で12月末の3500万円からは▼49万円下げています。ただ1月の新規販売された物件の平均価格が3762万円と全体平均価格3548万円よりも+214万円も高いためです。つまり完成在庫は下げているが、新規販売は大きく上げている、ただ新規販売戸数が3000戸ないのですが完成在庫は2万戸弱と5倍の開きがあるために、加重平均で平均価格が上がっていないということです。
県別にみると
東京都 販売戸数9344戸(前月比▼16%)
神奈川県 販売戸数8040戸(前月比▼9%)
埼玉県 販売戸数7588戸(前月比▼8%)
千葉県 販売戸数4626戸(前月比▼10%)
前月比で一番減ったのが東京都です前月末からは▼16%も減りました。その東京都の中で大きく減ったのが世田谷区▼25%と杉並区▼24%です。都心に近い区の完成在庫の契約が進んだのですが新規販売が少なかったため戸数が減りました。逆に八王子市は前月比▼5%と減りが少ないです。あまり動きがありませんでした。
ただこれは八王子市などは販売総区画数が多くて期分けがあるために販売広告の戸数が次々と出るといことがあり、契約戸がてきていても販売戸数が減らないということもあります。しかし都心は販売区画数が小さいために消費増税駆け込み需要目当ての着工・販売が羞恥ゆうしたために戸数が増えましたが、それが解消されてくると販売戸数自体が減ってしまいます。また、土地価格が上がっているのですが、契約価格が上がっていないために事業化するための用地仕入れが少なくなっていることもあります。
世田谷区の販売平均価格が6400万円くらいですから、設定粗利が17%とすると1100万円となり原価は5300万円となります。建物原価を1500万円として販売経費など500万円とすると土地代は3300万円です。世田谷の新築一戸建て分譲の平均土地は88㎡ですので土地代は㎡単価で38万円で坪単価は125万円となります。一般的に世田谷区の土地の相場観は坪単価で250万円くらいですから、新築一戸建て分譲の事業できる土地価格は半分ということで、普通に流通している土地では事業できないということで、その戸数は減ることになります。業者としてはいろいろ経費のコストダウンを行い土地取得価格を坪単価で150万円くらいまで上げていますが、マンション業者は坪単価200万円以上で買うために良い土地は新築一戸建てはできないということになっています。
つまり土地価格の高いエリアでの販売戸数は減り気味で、安い郊外は潜在販売戸数がまだまだあるということになっています。