投稿日:2015年1月7日
新築一戸建て分譲の12月の新規販売平均価格は3365万円で11月より53万円上がりました。ただ11月の契約平均価格は3129万円であっために価格差は200万円を超えています。建築原価の上昇により販売価格は上がっていますが、実質支出の減少により契約価格は上がらないために値下げにより契約をしている現状です。
新築一戸建て分譲の新規販売価格と契約価格の月推移をみると
新規販売価格は昨年以来3300万円前後で推移しています。9月には3386万円と直近の最高価格となりましたが、契約価格がついてこないために上げきれていない状態で11月は3365万円と昨年来の相場観で推移しています。
しかし契約価格は7月以降下げていて3200万円を割り込み11月は3129万円と直近の最低相場となっています。
そのため新規販売価格と契約価格の価格差が11月は203万円となり▼6.1%と大きな値下げとなっています。
その価格差がついた要因として、1980万円以下の販売が約5000戸ですが契約が1800戸り契約率が35%と高いのですが、5000万円以上の販売が約4000戸に対して契約が約600戸しかなくて契約率が15%と低迷しています。これで1980万円以下において販売の構成比よりも契約の構成比が高くて、5000万円以上では反対に販売における構成比よりも契約における構成比が低いために販売と契約において構成比の違いによるものです。
また売れ筋の1980万円の販売が全体の8%しかないということも価格差の要因です。建築原価が上がったために1980万円で売るには土地の取得において坪5万円以下で地盤改良が無い土地でないと売れなくなつていて、そのような住宅地はほとんど無いためです。
そのため全国の新築一戸建て分譲の販売の中心は2500万円から2980万円になっているのですがその契約率が20%前後で低迷しています。円安による食料や公共料金の上昇により消費支出における住宅に使える費用が減っています。しかし2980万円の住宅ローンを組むとなると月々の支払いが月8万円を超えることになり、月々の家計が赤字となってしまうために購入を躊躇している人が多くなっています。
この中間所得層の家計の苦しさが新築一戸建て分譲の契約率の低迷と契約価格の低迷につながっています。
また分譲マンションにおいてタワーマンションなどは相続対策投資マネーと外人投資マネーなどにより契約率が高くなっていますが、そのマネーが新築一戸建て分譲に流れ込んでいないことが契約価格を下げていることもあります。
郊外住宅は実需向けが多いので、ここにおいては新築一戸建て分譲も分譲マンションも同じ状況といえます。建築原価はしばらく上昇が続くと思えるので土地価格が下がらない限りこの状況は続くと思えます。