投稿日:2015年1月6日
新築一戸建て分譲の行政別の住宅着工戸数の4月から11月累計戸数のランキングを見ると、前年同期比でプラスとなったのは上位20行政の中でわずか4つに過ぎませんでした。逆に16の行政が前年マイナスとなっています。
新築一戸建て分譲の4月から11月の累計の住宅着工戸数ランキングは
トップは東京23区で7224戸で前年同期比▼7%と減っています。
そして二位は実質の行政別のトップの横浜市で4060戸です。ただ前年同期比は23%と大きくマイナスになっています。11月は前年同月比▼10%とややマイナス率は小さくなっています。
そして三位に名古屋市となりました。大阪を抜いての三位ですが前年マイナスが▼14%で大阪市の▼24%よりも小さかったために三位となりました。これは大阪市のマイナスが大きいためであり「不戦勝」ともいえるもので決して良い状況ではありません。
また四位のさいたま市は11月の前年同月比が▼51%と前年の半分という少なさです。売れ筋の京浜東北線駅徒歩圏は土地の価格上昇で需要価格とのかい離がおきて契約低迷していて、郊外案件は供給戸数が多すぎるのと需要が引っ込んでしまっていて低迷しています。
そのトップ10の中で唯一の前年プラスは仙台市です。4月から11月の累計戸数は1009戸で前年同期比+8%とプラスになつています。これは復興需要とも言えて仕事が落ちついてきた人などに対して青葉区などの山の中の開発分譲と地下鉄徒歩圏の開発がされています。ただ少し販売価格が上がってきたのが契約の抑制要因となっています。
そしてトップ20の中で前年度比で最高となったのが柏市で前年同期比39%と大きく増えています。ただ11月は前年度比▼26%と11月はブレーキがかかっています。これは今年前半に大型分譲の開発が行われたために販売戸数が増えてきていて、それに契約がついていっていないために年末にかけてブレーキがかかっているのです。
そのマイナスで言うと行政別トップ20で前年比マイナスで一番悪いのが川崎市の前年同期比▼30%になります。土地価格が上昇したために地元需要価格とかい離が出たのと、東京都と横浜市の間に挟まれているため地域外需要が少ないので開発をあきらめる業者が多かったためです。土地柄で傾斜地が多くて、その開発・造成・擁壁工事・地盤改良などの費用が大きくブレることが多いため、原価が暴れることが多くて事業として見込みが立てずらいのです。ただ11月は前年同月比+17%と改善してきました。この先はいかに新築一戸建て分譲にとって開発しやすい土地が出るかによります。
その次に相模原市▼29%と川口市▼27%が前年マイナス幅が大きいです。これらは前年の住宅着工が多すぎたともいえて、通常戸数に戻っているところといえます。また土地価格の動向によるともいえます。東京を中心に土地価格が上がり、それが郊外の都市にも影響されてきましたが、郊外の都市の場合だと実需が多いために投資資金の底が浅いといえて、供給側の論理というより需要側の論理による価格形成が強いです。川口市や相模原市の場合は住宅購入需要が低迷すると土地価格の上昇は抑えられる可能性があります。むしろそのなると新築一戸建ての販売価格が抑えられて開発がしやすくなるといえます。