投稿日:2014年12月22日
新築一戸建て分譲の関東地方の今週の販売で総戸数別にみると、1戸分譲が最も多くて3432件あります。そして「街づくり」ができる30戸以上は129件しかありません。
新築一戸建て分譲の今週の販売中を総戸数別に集計すると
一戸分譲は3432件あり販売平均価格は3471万円です。全体平均が3493万円なのでほぼ同じ価格と言えます。新築一戸建て分譲での中心は一戸分譲ということになります。
2戸分譲は2234件で販売平均価格3672万円とやや高くなります。東京都内などで築40年以上の中古住宅の土地50坪を半分に切って販売するパターンが多いために東京都内物件が増えているためです。
3戸分譲は少し大きめの土地を区切るために2戸よりは減って1313件です。販売平均価格は3569万円でやや高くなっています。
4戸分譲は元の土地が大きくなり販売の土地平均も120㎡と大きくなるために物件は郊外物件が増えるので販売平均は3375万円と5戸以下の少棟分譲では最安値となります。
ここまでの少棟分譲ではコミュニティ道路形成が難しいために本当の意味での「分譲住宅」とはなりずらくて、似た建物が集まっているということになります。
6戸から9戸になると土地形状と区割りによって「コミュニティ道路のある分譲住宅」と敷地延長を多様した集中型に分かれます。全体的には集中型の方が多いために販売平均価格は3333万円と安くなっています。集中型は敷地延長を多様して分譲地内道路を無くす区割りにすれば土地活用効率は高くなり販売可価格は下がります。しかし戸建分譲の特色である分譲地内コミュニティ道路とゲーティングができないために価値がついていません。開発業者とすると販売価格が安い方が売りやすいので集中型にしがちなのですが、買う方とすればコミュニティ道路の方が生活価値があります。その辺をしかっり見極める必要があります。
そして10戸から19戸の販売平均価格が最も安い3142万円となっています。この戸数帯では埼玉県の販売が最も増えていて200件超えで東京・神奈川の130件の1.5倍と多いのが販売平均価格を下げている要因です。この10戸から19戸の場合は全体で2000㎡超えの開発行為となるために造成・擁壁・道路敷の工事費をいかに安く抑えられるかが問題となります。埼玉県は平で大きな土地が多いために低価格で開発がしやすいとも言えます。そのため埼玉県の販売平均は2844万円ですが神奈川県の販売平均は3533万円と689万円も高くなっています。神奈川県は傾斜が多いために10戸から19戸になるとほとんど擁壁工事が発生するためです。
総戸数30戸を超えると販売件数は30件と大きく減ります。そして40戸以上となると27件しかなくて販売平均は3806万円と高くなります。大型開発となり分譲地内公園設置などが義務付けられてくるなどで開発企業に体力が必要なために大手不動産やハウスメーカーが増えてくるので販売価格が5000万円を超えるものが出てくるためです。現在販売中では野村不動産のプラウドシーズン仙川総戸数45戸区画が6988万円で販売されています。
そして最高価格は100戸から199戸です。販売件数は34件ですが販売平均価格は4116万円と高くなっています。最も高いのが積水ハウスのコモンステージ武蔵府中で7065万円です。次いでパナホームのコロネットテラス京王堀之内で5650万円です。その次に大和ハウスのふじみ市上野台の5350万円です。
このようにハウスメーカーが増えてきて販売平均価格が高くなっています。ただ土地が150㎡超えと大きいのでゆとりの敷地です。それで「街づくり」と共に、日当たりの良い「庭付き一戸建て」と郊外住宅らしいものとなっています。
つまり新築一戸建て分譲は、「少棟分譲」と「街づくり」と大きく別れるといえます。そして「少棟分譲」は3400万円前後で「街づくり」は3700万円超えとなっていて、土地の㎡数による価格差ではありますが、それ以上に「街」の付加価値がついてくるといえます。