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藤沢市の新築一戸建ての住宅着工は今年度に直近5年で最大となる。「湘南ブランド」強し。

投稿日:2014年12月17日

藤沢市の新築一戸建て分譲の住宅着工は2011年度に636戸と減りましたが、昨年は905戸に回復して、今年は921戸と東日本大震災後の最大となる見込みです。

藤沢市の新築一戸建て分譲の基礎需要は約800戸で2010年度の着工戸数786戸かほぼ需要通りの戸数であったと言えます。

それが東日本大震災により、東南海大震災の時に大津波が来るとの予測が現実味を帯びてきたために2011年度は686戸まで大きく減りました。

それが2012年度には786戸まで戻しました。地元の人は依然として慎重なのですが、地元外の人が津波予測により土地が下がったために買いやすくなつたので動き出したのです。

そして2013年度は905戸まで増えました。消費増税の駆け込み需要で増えたものです。しかし2014年度は10月までの月平均が前年度を上回っていて年度の見込みとしては921戸までに増えると見込まれます。地元外需要が動いているといえます。

新築一戸建ての価格帯別の需要と供給と契約の実績をみると

青い棒の地元需要は2790万円以下が多くなっています。しかし販売が無いために契約もありません。土地が高いのと建築費が高くなったために販売ができないのです。

そして2800万円から3190万円の価格帯は需要と契約がほぼ一致しています。この価格帯で一番多い物件は小田急江ノ島線長後駅徒歩10分くらいで、土地106㎡で建物101㎡ですので、交通利便性はあまり良くないですが、土地・建物が大きいために日当たりが良いファミリー向け物件といえます。つまり地元の賃貸家賃7万円前後の人が「家賃並みの住宅ローン」動機で契約に動いたといえます。ここが藤沢市の新築一戸建ての標準的姿といえます。

そして3200万円以上は需要が30戸以下に減るが販売は100戸を超えていて地元需要としては供給過剰といえます。ただ契約戸数は80戸以上できています。これは地元需要でなくて市外需要といえます。一番多いのが、辻堂駅と藤沢駅の徒歩圏で海よりです。これは交通利便性を確保しつつ湘南海岸も徒歩圏という週末サーファーにとっては絶好の立地です。

そして藤沢市の転入元をみると

一番は横浜市です。戸塚区や泉区か多いので近隣ともいえます。その近隣からの転入は3位の茅ヶ崎市、4位の鎌倉市、10位の大和市などで、この転入が多いのは自然な姿と言えます。

二番目の東京都は隣接でないので、湘南海岸ブランド好きで東京勤務の人が買っているといえます。ただ東京都は広いために姿が見えにくいですが、8位の川崎市は同じ要因ですが、姿が見えます。

川崎市の4000万円台というと多いのが、新川崎駅徒歩15分で土地67㎡・建物98㎡の狭小3階建てで接道があまり良くなくて日当たりが良くないものが多いです。ただ新川崎駅から品川駅までは乗車時間がわずか14分と交通利便性がとても良いです。つまり住環境や地域環境はあまり良くないが交通環境は良いという立地です。

それに対して藤沢市の藤沢駅南側は湘南海岸があり地域環境は抜群で土地も広くて住環境も良いといえてなりより「ブランド」価値が日本でもトップクラスといえます。自動車ナンバーで「湘南」の人気が高いことにも表れています。しかし乗車時間は40分以上となり交通利便性は悪くなります。さらに「30年以内に70%以上の確率で東南海大震災が起きる」とされていて津波予測があり防災で大きな不安があります。

それでも川崎市の人が湘南に転入する人が多いということは、「湘南ブランド」が様々なデメリットをもはるかに超える魅力があるということです。やはり「将来不安よりも、毎日の楽しみ」を選ぶのが人間です。行動経済学の非合理的経済行為の典型ともいえます。

 

 

 

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