投稿日:2014年11月6日
新築一戸建て分譲を主とする企業の2013年度の売上高のランキングを作るとパワービルダーと呼ばれる企業が上位を占めました。また一位の一建設を始めとして飯田ホールディングス傘下の6社が全て入っていて強さが目立っています。ただハウスメーカーや総合デベロッパーなどの新築一戸建ての売上高がわかりずらいためにこのように偏ったものとなってしまいます。新築一戸建て文分譲の市場実態とは少し離れています。2013年度の新築一戸建て分譲の市場全体では4兆円の売上がありましたので、今回のトップ10の合計売上1兆5000億円はシェアとして36%にしか過ぎないといえます。
新築一戸建て分譲を主とする企業の決算短信や発表資料を集計してランキングを作ると
一位は一建設となりました。3607億円と二位のアーネストワンを大きく上回る売上高となりました。これは竣工戸数では大差ないのですが、アーネストワンが請負が多いためです。地方の不動産企業などにおいて土地を購入してアーネストワンに施工を依頼して新築一戸建て分譲として販売する例が一建設よりも多いといえます。
そして三位に飯田産業が入りました。こちらは大型分譲が多くて、自社販売の物件もあるためにアーネストワンよりも竣工戸数では少ないのですが売上高は近づいています。
四位にポラスグループが入りました。これはグループ会社に施工やプレカットなどがあり合計売上として膨らんでいるためです。また注文住宅などの売上も入っているために、新築一戸建ての竣工戸数では5位の東栄住宅よりも少ないですが売上高では上位になってしまっています。
五位の東栄住宅がある意味ではパワービルダーの平均的な姿といえます。大型分譲の自社販売が多くて、注文住宅がまだまだ少なくて、その他売上があまりないので新築一戸建て分譲の比率が高い企業です。そのためにこの1354億円が新築一戸建て分譲企業の全国トップクラスの一つの目安といえます。
六位にオープンハウスが入りました。東京中心と全国展開していないのですが六位に入ってきました。上場した後に店舗を拡大して、用地仕入れを拡大してきたことによるものです。また、ほとんどが東京ですから一棟単価が高いために竣工戸数はまだまだ少ないのですが売上高としては大きくなりました。
七位以下も東京・大阪の会社のみとなりました。やはり一棟単価が高いことによるものです。全国平均単価は3100万円前後ですので、1000棟竣工とすると300億円になりますが、東京で1000棟となると平均4500万円くらいですから500億円に達することになるのです。
そのため売上高ランキングは新築一戸建ての市場実態とは少し離れています。また竣工戸数のランキングにおいても建築条件付き土地分譲がハウスメーカーなどで多くて、それがつかみずらいために全国的には積水ハウスとか住友林業などの新築一戸建ての竣工戸数が把握しずらいので実態を表しずらいです。さらに総合デベロッパーは新築一戸建て分譲を切り離して決算報告されていないために抜かれてしまいます。
そのためこのランキングはパワービルダーランキングといえるかもしれません。