投稿日:2014年10月9日
街角の景気感を表す「景気ウォッチャー」の9月末分が内閣府より発表されました。全国の景気の現状水準判断DIは47.4で前月と同じとなりましたが50を割り景気は低下しているとなっています。
昨年は消費増税駆け込み需要で50ポイントを超えていて景気は良かったのですが、消費増税となった今年4月に41.6ポイントと急落しました。そして5月は45.1と少し上がり、6月は47で50を下回っていました。
それが7月には51.3に上がり50を上回りました。消費増税駆け込み需要の反動減が終わったとも見えました。しかし8月には50を下回りました。これは物価上昇があるのですが収入は上がらないために「生活が苦しくなった」と感じている人が増えたためです。9月も47.4で同じ傾向であったと言えます。
内訳をみると「飲食関連」が43.5となっていて一番低くなっています。家計が苦しくなると外食を減らしますので景気低迷の最初に現れると言えます。次に「小売関連」が46.2で二番目に低くなっています。これも余計な支出を抑えているといえます。そして三番目に低いのが「住宅関連」で46.8と低くなっています。低所得層で毎月の家計が苦しくなると住宅ローンという大きな借金を組むのを避ける傾向になります。低所得層中心に耐久消費財の新規購入意欲が減少しています。
今回の物価上昇は消費増税と円安が背景になりますので、まだしばらくは続く考えられます。収入は現在水準よりも上昇することはすぐにはないので、低取得層の家計の苦しさは早期に解決しないとすると、景気ウォッチャーの現状水準判断DIが50を下回る状態はしばらく続くと考えられます。