投稿日:2014年9月3日
木耐協の報告をもとに「新耐震でも倒壊の恐れが8割」というニュースが出ています。とんでもない誤報の記事です。正確には「耐震診断した1.8万戸木造住宅の8割に倒壊の危険があった。これは木造住宅全体3500万戸以上の0.05%に該当する。」ということです。
木耐協の報告内容は
木耐協が2006~13年に耐震診断した全国1万8870戸を分析した。
その結果、建築基準法の安全基準を数値化した「耐震評点」が、震度6強で「倒壊する可能性が高い」とされる0・7未満だったのは61%。「倒壊する可能性がある」(同0・7以上~1・0未満)も23%あった。一方、「倒壊しない」(同1・5以上)は2・6%、「一応倒壊しない」(同1・0以上~1・5未満)は13%だった。
ということで、これをもとに統計ど素人の記者は「数字のマジック」にはまってしまいました。
問題は「木耐協が耐震診断した建物の84%に倒壊の危険性があった」というものが、「お客様が不安で耐震診断を木耐協関連企業で受けた」建物が対象であるということです。つまり「2013年以前に建築された木造3500万戸以上の中で、1万8870戸を調査して1万5850戸に倒壊の危険性があった」ということで、決して「2006年から2013年に建築された木造住宅300万戸の8割が倒壊の危険がある」ということではないのです。
正確な事実は、2013年までに建てられた木造住宅35000万戸以上の中で1万5850戸に倒壊の危険性が見つかったということで、率としては0.05%です。