投稿日:2014年8月6日
新築一戸建ての7月の新規販売平均価格は3326万円で前月比+0.4%で前年同月比▼0.6%となり、前年の相場より下がりましたが少し反転しています。契約平均価格は3315万と推計されて5月以降の3ケ月連続で新規販売平均価格の▼10万円で推移しています。ただ販売平均価格は3262万円で前月比▼18万円で前年同月比▼94万円と下げています。
新築一戸建ての新規販売価格と販売価格と契約価格の推移を昨年4月から今年7月までの推移をみてみると
新規販売平均価格は昨年4月(3294万円)以降で上昇となっていました。それが10月の3382万円がピークとなりました。部資材の上昇と労務費の上昇に土地の上昇が加わったことによる上昇です。
しかし11月に3342万円と10月より▼40万円下げてから微減傾向となり今年2月に3335万円となりました。本来は原価が上がっているので販売価格を上げたいところですが消費増税駆け込み需要の第一弾が終わり契約が低迷したために契約価格が下がっているので上げられない相場となってしまったのです。
この昨年10月から今年1月の新規販売価格の平均は3354万円ですが、契約平均価格は3260万円でその価格差は▼94万円となっていて、契約価格は需要価格にはりついているために、販売価格が原価積算供給価格を取りえないためです。
それが2月に契約価格が3199万円まで急落しました。消費増税駆け込み需要目当ての完成在庫の値引きによるものです。そのため3月には新規販売価格が3364万円であるのに契約価格は3208万円となり価格差は▼156万円と大きく開きました。
この契約平均価格は最終広告価格であるために「相対値引き」が含まれていません。この時期の完成在庫の値引きは平均200万円として契約戸数に占める完成在庫の割合を65%とすると実質契約価格は3100万円と計算されます。となると新規販売価格3364万円からは▼264万円もの価格差があったということになります。
それが影響して新規販売価格の4月は前月より下げて、さらに5月も下げて3294万円まで▼70万円も下げました。
ただ4月の契約価格が新規販売価格との価格差が▼10万円まで近づいてきました。3月までの完成在庫が契約の中心であったのが、一転して新規販売が契約の中心となったためです。そのため新規販売価格もやや回復をみせて、6月・7月と反転基調となりました。
それで7月の新規販売は前年同月比では下げたが、前月比では上げているという相場となっているのです。
しかし販売平均価格は下げていて3262万円となっていて前年同月比▼94万円と下げて、ここ昨年4月以降で最低価格となっています。消費増税駆け込み需要目当ての販売で完成在庫となっているものが値下げしているためです。これらの物件の中で立地が悪くて、家賃並み住宅ローン価格よりも高いものの契約が悪いために販売平均価格を下げています。
7月の契約の中では新規販売がしめるウェイトは通常に戻りましたが、8月以降は完成在庫の処分が行われるために契約に占める完成在庫のウェイトは高くなると推測されて、8月の契約平均価格は下がると思われます。すると再び新規販売価格と契約価格の価格差が開くことになります。