投稿日:2014年6月20日
新築一戸建ての首都圏の4月の契約は消費増税前の3月比べると▼38%減りました。前年同月比でも▼14%減っています。ただ基礎需要からすると+15%多くなっていますので、消費増税駆け込み需要の反動減は需要面からすると無いということになります。
新築一戸建ての首都圏の4月の契約を価格帯別に需要と契約を比較すると
全体では契約実績は需要よりも+15%多くなっていますが、価格帯毎ににみると需要に対する契約顕在化率は14%から182%と大きく違っています。
1200万円以下は顕在化率が14%と極端に低くなっています。需要はあるのですが1200万円以下の販売がほとんど無いためです。これは販売価格の上昇によるもので今後はゼロになると思えます。するとこの価格帯の需要は顕在化しないことになります。
そして販売価格1200万円から1600万円は顕在化率94%と100%に近づいてきましたが、販売価格の上昇で低下していくものと考えられます。
次に1600万円から2400万円まてだは112%と100%を超えて需要以上の契約ができていることになります。これは主に1600万円以下の需要を引きつけた結果です。1600万円以下の需要が買いたい物件がなかったために価格を上げて契約したものです。
そして2400万円から2800万円は顕在化率91%と低くなっています。ここは価格帯別需要戸数としては最大になります。つまり新築一戸建て分譲の基本である「家賃並みの住宅ローンで現在住んでいる賃貸住宅の近くで買いたい」というものと価格がズレてしまったものが9%発生しているということになります。
さらに2800万円から3200万円も顕在化率は97%と需要供給価格のズレで顕在化率が落ちています。現在の販売価格上昇局面における顕在化率ロスの最大価格帯ということになります。
しかし3200万円以上は全て顕在化率が100%を超えています。この需要価格帯は金額が高くなるために選択肢が増えるので「買えない」ということがないのです。また収入も高くなるために電気代の上昇などの家計費率が低いために消費増税の心理的影響が比較的に少ないといえます。さらに正規社員比率が高くなるので、ベースアップの恩恵を受けやすく、今夏のボーナス増額の恩恵も受けるので購入意欲は衰えていないといえます。
このように収入が増えると、現在はまだ超低金利で住宅ローンが組みやすい上に、住宅優遇税制もあるので需要の顕在化がしやすいと言えます。
つまり4月の需要と契約の比較をすると、低価格帯の顕在化が悪く高価格帯の顕在化率が高いといえて、消費増税の影響は低価格帯に大きくて、高価格帯の需要は健在であるといえます。