投稿日:2014年5月30日
住宅着工の平成26年4月度が国土交通省より発表となりました。全国では7万5286戸で前年同月比▼3.3%となり3月に続いて前年同月割れとなりました。消費増税駆け込み需要の反動減となっています。
全国の戸数の業態別にみると
持家が前年同月比▼16.1%で3ケ月連続でマイナスであるばかりか、マイナス幅が広がっています。これは主に注文住宅であるために2~3ケ月前の消費者の契約動向が素直に出るので消費増税の駆け込み需要の反動減がみてとれます。
ところが貸家は前年同月比+12.0%と唯一前年同月を上回っています。これは消費増税の反動減はあるのですが、それを補ってあまりあるほどの相続対策の賃貸住宅建設が多いということを物語っています。ただこれは供給要因であるために需要がついているわけではないので「仮需要」ともいえます。
またマンションは前年同月比▼16.9%となり昨年10月以降の7ケ月では6ケ月もマイナスになるほど減っています。これは消費増税の反動減というより、土地価格の上昇と建設コストの上昇に伴うものです。それでお客様の買いたい価格ははるかに超えてしまうために事業化てきていないのです。
そして新築一戸建て分譲の着工を表す「分譲戸建」は前年同月比+1.7%と増えました。これは首都圏が前年同月比▼25.9%であるのをみると消費増税の反動減は確かですが、そのマイナスを補っているのが中部圏の前年同月比+18.5%と近畿圏の前年同月比+13.7%です。トヨタ自動車などが元気で、ベースアップがあり夏のボーナスも前年より増えるなど好環境であることが大きいです。ただ、それを期待しての供給が多かったということもあります。それは需要に素直な持家がこの地域でもマイナスになっていることが裏付けています。つまりデベロッパーが首都圏の着工が少ない分を中部圏・近畿圏で補ったという点もあります。
ということで4月は消費増税反動減がベースにあり、そこにプラス要因として賃貸住宅相続税対策と景気期待の近畿圏・中部圏着工が起きているということです。しかし、このプラス要因は基礎需要を上回っているため、また反動減が起きる可能性が高いといえます。