投稿日:2014年5月21日
新築一戸建ての価格では平成25年夏の消費増税の駆け込みが割高となり、最後の平成26年3月の完成在庫が最もお買い得となりました。
アトラクターズラボの戸建分譲研究所がまとめた新築一戸建ての2013年度の価格推移をみると
契約価格をみると平成25年9月が3289万円で平成25年度においては最も高かったとなります。新規販売価格が建築コスト上昇に上がっているところで消費増税駆け込み契約のピークとなった月ですので、非常に盛り上がっている中で契約されたことによります。また、当時は東京オリンピックの決定を受けて価格先高観がピークに達した時でマスコミなども「土地が上がる」と騒ぎ立てた月でした。それに乗り契約価格も高くなつたものです。
ただそれ以降は低下の一途で、平成26年3月の消費増税前最後の月は3208万円とピークの9月からは▼81万円・▼2.5%も下がりました。その結果として、単純な金額の比較では「9月に駆け込みした人は高く買い、3月の最後まで粘った人がお買い得」となりました。
しかし、3月の契約は完成在庫が多いために、ある意味で「売れ残り」もあるために立地的に良くないものが多くなっています。同じ分譲地でも日当たりが悪いものが残りますので、その辺は割り引いて考える必要はあるでしょう。
それと、新規販売価格が平成25年4月に3294万円であったのがジリジリと上げて10月には3382万円まで上げました。建築コストの上昇を織り込んでいった結果です。しかし、11月以降は伸び悩み3330万円台で推移しました。最終的に3月には3364万円となりましたが、それでも10月のピークよりは▼18万円安いです。これは建築原価は織り込んでいったのですが契約価格がついてこないために価格を上げることができずに、土地の面積だとか建物の面積を小さくするとか、性能・機能・設備のグレードを下げるなどでなんとか価格の上昇を抑えているのです。また、エリアを都心から少し遠くするとか、駅からの距離を少し遠くするなどの工夫も行っています。
そのため平成25年10月の3382万円と平成26年3月の3364万円では単純比較はできないと言えます。個別物件での詳細な比較をしないと「割安か割高か」は一概には判断できないとも言えます。
耐震性や地盤対策などの性能低下はだめですが、キッチンの面材のグレードダウンとかクロスのグレードダウンなどは仕方無いところとも言えます。さらに「省エネ次世代仕様」において、「節水コマ」を省くなど本来の省エネ性を損なわないコストダウンは仕方ないでしょう。
そういった涙ぐましい努力をして販売価格を上げていない物件をよくよく探す必要があります。