投稿日:2014年4月22日
新築一戸建ての3600万円ラインはいびつな形になってきました。
この「3600万円ライン」というのは新築一戸建て分譲住宅の首都圏における価格動向の時代性をみる一つの基準となるものです。このラインがバブル期には土地価格上昇により16号を超えて郊外へと広がっていきました。それがバブル崩壊で16号沿線に戻ってきて、武蔵野線に近づいてきました。そしてミニ住宅バブルにより、再び16号を目指すようになりました。その後は、土地価格の下落がピークになり、武蔵野線の内側に入り込むまでになってきました。
このように16号とか、武蔵野線(横浜線)など首都圏ではドーナッツ形に価格分布が広がるのが特徴でした。それが、直近はいびつな形となっています。
また3600万円というのは、年収600万円の都内勤務の人が好んで買いたい価格帯になり、新築一戸建て分譲の中心需要でした。それで、できれば都心ターミナル駅から最寄駅まで40分以内がいいのですが、バブル期は1時間半くらいという「痛勤」を余儀なくされていました。それがリーマンショック後は40分くらいになり、東京都内もしくは隣接行政になりもはや郊外ではなくり、なおかつ駅徒歩20分以内という「交通至便」にまでなってきました。
ただ、2000年以降は世帯年収が下がってきて、600万円が中心というより500万円以下が中心となってきました。そのため3600万円が意識されなくなってきたということもあります。
また、東日本大震災の影響で、震度予測や地盤の弱さなどが重視されてきたので、東京の城東・城北の土地が低迷して、中央線沿線の土地価格が上がることになっています。
そのために3600万円ラインがいびつな形になってきたのです。
今現在で3600万円前後の新築一戸建ての販売戸数の行政別にみると
①横浜市 161戸
②川崎市 89戸
③さいたま市 76戸
④足立区 73戸
⑤川口市 60戸
⑥町田市 52戸
⑦市川市 46戸
⑧立川市 43戸
となっていて、東京の東から北にかけては外環自動車道沿いとなっていて、足立区だけ突出して中に入っています。そして西は立川から町田、横浜となっていて、横浜線沿いとなっています。
ただ、これは東京の中心ら北西に切るとわかりやすくて、首都圏の北・東はさいたま市から川口市・足立区・市川市に至る直線に近いもので、西・南は立川から町田・横浜・川崎という横浜線つながりとなっています。
つまり首都圏の新築一戸建ての分布は大きく2分されてきているということになります。そしてウェイトとしては西南が6割で北東が4割となり、以前とは逆転しています。
このように首都圏の新築一戸建ては大きく様変わりしました。