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新築一戸建て分譲の2013年度の着工戸数は7年振りに13万戸を超える。

投稿日:2014年4月15日

新築一戸建て分譲の住宅着工戸数の2013年度は13万3000戸強となる見込みです。前年度比は+6.8%増えて、13万戸超えは2006年度以来の7年振りとなり、今後の需要減少を考えると「最後の13万戸相場」となると思えます。

新築一戸建て分譲の住宅着工戸数の年度推移をみると

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■1994年度から1997年度は「バブル崩壊後土地割安感14万戸時代」

1994年度は14万4316戸で多くて1997年度までは平均で14万1000戸を超える大きな戸数となっていました。この時代はまだ「土地神話」がありつつ、バブル崩壊後の土地価格下落で買いやすい値段まで落ちてきてたと感じられて需要が盛り上がった時代です。そして この1997年と言えば消費税増税前の駆け込み需要の年となります。この1994年から1997年は「バブル崩壊後土地割安感14万戸時代」でした。

■1998年度から2002年度は「金融不安11万戸時代」

それが消費増税された1998年には11万2506戸に急落して前年度比▼17.1%と駆け込み需要の反動減となりました。

その後の1998年から2002年までの5年間の平均は11万8000戸となり、その前の4年間の平均14万1000戸から▼16.3%下がりました。これは1997年11月の山一ショックによる金融不安によるものです。また1997年度から世帯収入が減少し始めたなど住宅ローンへの不安がおきたためです。そのため先食い需要からの復活が2000年の12万5694戸にとどまりました。この1998年から2002年までは「金融不安11万戸時代」です。

■2003年度から2007年度は「ミニ住宅バブル13万戸時代」

それが2003年からの2007年の5年間の平均は13万3000戸と大きく増えました。いわゆる「ミニ住宅バブル」と呼ばれるもので、団塊ジュニアが住宅一次取得年代に入ったためです。その人口の多さにより需要が増えて、住宅着工が増えました。この時代は、土地が安くて大量に供給されて、部資材の品質が上がりつつ安くなるという、新築一戸建て分譲にとってとても良い時代でした。この2003年から2007年は「ミニ住宅バブル13万戸時代」です。

■2008年度・2009年度は「リーマンショック10万戸時代」

そして2008年に入りリーマンショックがあり後半に失速したために年間では10万6609戸に落ちました。それが2009年度まで響いて9万5294戸と10万戸割れとなってしまいました。この2年間は「金融不安10万戸」時代でした。

■2010年度から2012年度は「少子高齢化11万戸時代」

リーマンショックからの回復は2010年度からになり11万3427戸となり、2011年度はさらに増えて11万7979となり、2012年度は後半に消費増税駆け込みも少し加わり12万戸を超えて12万4536戸となりました。この3年間は平均で11万8000戸となり、1998年から2002年の前回の消費増税後と同じ戸数でした。ただ今回の11万8000戸は少子高齢化による需要減少の始まりの時代ともいえて「少子高齢化需要減11万戸時代」です。

■2013年度は消費増税駆け込みで13万戸。その反動減で2014年度は10万戸

そして2013年度は消費増税駆け込み需要目当ての着工で13万戸超えとなりました。その前の時代が11万8000戸なので、先食いは1万5000戸と計算されます。それが2014年度に減少するとなると、11万8000戸-1万5000戸=10万3000戸となると計算できます。

2015年度以降は2010年度から2012年度の11万8000戸を下回る戸数での時代になると考えられて、13万戸を超えるのは2013年度が最後になると考えられます。そのため2014年度以降は「少子高齢化10万戸時代」となります。

■新築一戸建て分譲の低迷対策には、投資を呼び込むためのリスクの低減が必要

分譲マンションの着工も低迷していますが、契約は好調です。これは実需以外に海外需要が入ってきているのと、団塊世代の賃貸投資や相続税などの投資が入ってきていて、様々な投資資金が契約を押し上げています。

新築一戸建て分譲の基礎需要が少子高齢化により減るのは確実ですが、それを挽回するには分譲マンションのように様々な投資を呼び込むことが必要です。それには、地震・防災リスクの減少が大前提でそこに性能表示などの品質・性能の安定化が必要となります。

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