投稿日:2014年3月13日
株式会社リクルート住まいカンパニーが新築マンションの契約者を対象とした調査の2013年分を発表しました。
■平均購入価格は4168万円で2001年以来で最高
購入価格の平均は4168万円で前年の4058万円から+110万円増えました。そればかりか、この調査が始まった2001年以来で最高価格となりました。
最多購入価格帯は3500万円から4000万円で全体の20.9%でした。ただこの価格帯の前年は21.1%ですから構成比としては減少したと言えます。また4000万円から4500万円も前年16.6%から15.2%に1.4%減りました。それで増えたのは5000万円以上で前年が16.7%だったのが19.4%と+2.7%も増えました。ですので3500万円から4500万円で購入していた人の中の約1.6%が5000万円以上の物件を購入するようになったといえます。
■購入理由で「資産性」が増えてきた
購入理由の上位をみてみると
①子供や家族のため家を持ちたいと思った。 39.5%(前年比▼0.9%)
②現在の住居費が高くてもったいないから 32.5%(前年比▼1.1%)
③金利が低く買い時と思った 27.0%(前年比▼1.9%)
上位3つの回答項目は変わらず、「子供のため家を持つ」「家賃がもったいない」「金利が低い」でした。ただいずれも前年よりは回答率を下げています。その中で回答率が一番上がったのは「資産として有利だと思ったから」が前年15.8%から17.4%に増えました。マンションの資産性の認知が広がってきたものです。
■重視した項目は「時間」と「広さ」がやや高まった。
購入に際して重視した項目の上位は
①価格 93.4%(前年比▼0.3%)
②最寄駅からの時間 84.8%(前年比+1.0%)
③住戸の広さ 74.2%(前年比+0.5%)
例年と同じで上位3つは「価格」「最寄駅からの時間」「住戸の広さ」の項目となりました。ただ「価格」が前年より回答率をやや下げたのに対して、「最寄駅からの時間」と「住戸の広さ」の回答率が増えました。これは建設コストの上昇に伴い価格上昇は仕方無いとしても、最寄駅からの時間と住戸の広さは譲れないということです。逆に、新規販売物件では駅から少し遠くなり、住戸が少し狭くなっているということです。
■決め手となったスペックで「眺望」が再評価されてきた
購入の決め手となった物件スペックの上位は
①日当たりの良さ 40.7%(前年比+0.3%)
②収納スペース 29.1%(前年比▼0.6%)
③リビングの広さ 24.1%(前年比▼0.1%)
④住戸からの眺望 23.1%(前年比+3.0%)
⑤角部屋 22.3%(前年比+0.4%)
⑥地震対策 19.9%(前年比▼3.6%)
決め手となったスペックは大きな変化があり、「眺望」が前年から+3.0%増やし、「地震対策」が前年から▼3.6%減りました。この「眺望」は2011年に18.0%で前年から▼5.0%も減りましたが、2012年には+2.1%増えて、2013年は+3.0%増やして東日本大震災前の2010年の23.0%に戻しました。そして「地震対策」は2010年には9.9%であったのが2011年には18.4%となり、2012年には23.5%となり「眺望」を抜いて4位になつたのですが、2013年に19.9%と大きく減らし再び5位に落ちました。各デベロッパーが東日本大震災を受けて地震対策を強化してきたために、ほとんどのマンションが地震対策済みとなっているために決め手とはならなくなったということです。そして、湾岸だから怖いといういたずらな恐怖が薄れてきて、再び東京の世界トップクラスの夜景が再評価されてきたと言えます。