投稿日:2014年3月12日
住宅ローン金利の指標の一つであるフラット35の3月の金利の最低が1.740%と下がり史上最低金利となりました。住宅ローン組成の元である国債10年ものの金利が低いためです。
その10年国債の金利の推移をみてみると
平成20年12月に1.48%であったのが上下を繰り返して平成21年6月1.50%まで同じ水準でしたが、6月以降に下降し始めて現在に至るまで下降してきました。そして平成26年2月末に0.59%と史上最低水準となりました。
この10年国債の金利下降により住宅ローンの金利が下降したのです。
それはアベノミクスによる異次元金融緩和によるものが大きく影響しています。
量的には市場に資金供給を年30兆円増やすということをしながら、金利は抑え込むという離れ業を行っています。ただアメリカのFRBも量的緩和と低金利政策を行うということをQE1からQE3まで行っていました。そのため日本も追随できたともいえます。
ただそのアメリカが量的緩和の終了を宣言しています。しかし金利は抑えたままです。これはアメリカ経済としてはいいのですが、後進国にとっては資金引き揚げにつながり、株式下落で経済低迷となり為替も悪化して金利の上昇を招いています。同じことが日本に起きるかといえば、それは無いといえるでしょう。
国債引き受けの資金・富が日本国内で賄えているという世界最大の対外資産保有国ということがあり、国債格付けは財政プライマリーバランスの表面的数字でやや下げていますが、実態経済の強さで高く保っています。そのため金利高騰は考えにくいです。
その他、物価上昇率や貿易収支やファンドの動きなど金利上昇要因はありますが、アベノミクスがうまくいっている限りにおいて金利上昇は抑え込むものと思えます。
そのため当面の住宅ローン金利は市場最低水準にとどまると考えられます。