投稿日:2014年2月19日
厚生労働省より勤労統計の月間現金給与額の平成25年12月の確報が発表になりました。
現金給与総額では前年同月比で+0.5%増えましたが、所定内給与は▼0.2%と増えていません。残業などの所定外給与が+.5.0%増えたのと、賞与などの「特別に支払われた給与」が+1.3%伸びたために現金給与総額が増えたのです。
これは企業業績が好調であるために、残業が増えたり、業績連動の賞与を出たりしたのですが、海外競争にさらされていて経営構造に影響する所定内給与・固定人件費は上げないという企業の姿勢がみてとれます。正社員の所定内給与の引き上げは政府の要請などあり上げていますが、正社員人数が前年同月比で+0.2%であるのに、パート者人数が+3.3%と大きく増えていて、パートの給与が低いために所定内給与総額ではマイナスとなっているのです。
所定内給与が下がっている産業をみると、電気・ガス業▼3.0%、鉱業・採石業▼2.4%、学術研究▼2.3%などとなっていて、産業の置かれた状況として正社員の給与を増やすどころではないものがきています。
また、パート労働者が300万人を超える卸売業・小売業▼0.1%や飲食サービス業▼0.3%なども所定内給与が下がっています。
上がったのは、建設業+0.5%と運輸・郵便業+1.3%と不動産業+3.5%と時節柄上げざるを得ない業種にとどまっています。
さらに所定内給与のこの一年間の月毎の動きをみると
平成24年11月以降は平成25年12月まですべて前年同月比マイナスとなっています。
パート比率の上昇が続く限り所定内給与のマイナスは続くと考えられます。それも製造業における生産ラインでのパート比率の向上など同一産業内での増加よりも影響が多いのが、飲食業のように正社員一人に対してパート3人のように元々パート比率の高い産業への入職率が高くなっているためです。
つまり今まで労働者総人数で最大であった製造業が前年同月比▼0.9%と減らしている中で、飲食サービス業+3.4%や医療福祉+3.2%のように、女性の社会復帰の時に就職できるのが限られていることが根底にあります。
女性が出産・子育てが終わった後に社会復帰できる時に、製造業の正社員として就職できる環境が必要となっています。