投稿日:2014年2月17日
内閣府が日本のGDPの2013年10月-12月を発表しましたが、実質GDP成長率は0.3%となりアベノミクス開始以来の最低となっています。政府支出で押し上げていたのが、予算消化が終わると貿易赤字が効いてきてGDPは低迷してしまうという現在の日本の構図を示しています。
2012年10-12月はユーロ危機に端を発する円高による不況でGDPはマイナスとなっていました。それが自民党復活でアベノミクス開始により公的支出が押し上げました。その公的支出は2013年4-6月は+6.9%で7-9月は+7.2%と大盤振る舞いでGDPを押し上げました。しかしその予算消化が追わつてしまうと10-12月は2.3%となり全体を押し上げる効果は小さくなりました。
そこに貿易赤字がGDPを押し下げています。特に輸入は10-12月は+3.5%と大きく増えてGDPを押し下げる主要因となっています。原油関連の輸入が多いために、なかなか減らない構造となってしまっています。
ただ2013年10-12月で言うと消費増税駆け込み需要が発生していて本来は民間需要がGDPを押し上げると考えられていました。その民間でみると、民間住宅は4.2%と駆け込み需要が発生しています。ただ民間企業設備は+1.3%とほとんど動いていません。つまり住宅を中心に駆け込み需要は発生したのですが、企業の国内設備投資は行われておらず民間需要の底上げはおきていないということです。
企業は為替変動に嫌というほど痛い目をみているので、現地生産化を進めて為替変動を減らしています。また、労賃の安い国や為替で有利な国での生産を増やしています。そのため輸出は減ってしまっていて、国内生産への設備投資は増えていないのです。
そのためアベノミクスで景気は上向きましたが、公的支出と金融による喚起が主で、そこに消費増税駆け込み需要が発生したのみで、実態経済はついていません。それでアベノミクス以来の最低のGDP成長率となったのです。