投稿日:2014年1月30日
国土交通省が不動産価格指数の2013年10月の数字を発表しました。それによるとマンション指数は前年同月比で+2.7%の上昇で、更地・建物付き土地は前年同月比▼0.7%の下落となり、一般相場とかけ離れてしまいました。今月から集計・発表する時期を早めたのですが、世間相場感とのズレが出てしまうのではあまり意味がなくなります。
マンションは前年同月比で上げていて、それは世間一般そうなのですが、土地については下げているとなっていて、全く世間相場とかけ離れています。
特に、関東の「更地・建物付き土地」という指標の月推移をみてみると
2013年10月は9月からスコンと落ちています。これはありえないことです。世間一般的にはアベノミクスによる金融緩和以降は土地価格が上昇の一途をたどっています。そのため、世間相場としてはユーロ危機による円高不況に中国尖閣問題が加わった2012年10月が底で、アベノミクス登場以降の2013年入り上昇というのが普通てです。それが国土交通省のこの土地指数推移は2013年3月に大禁句上げましたが、それ以降は下げています。不動産のプロであれば誰しもおかしいと感じるものになってしまっています。
原因はもともとのデータにおいて「建物付き土地」というものは新築一戸建て分譲を含むのですがサンプル数がわずか1万3043件しかないからです。そのために、完成在庫処分で値引きされたものの量が多くなるとサンプル数における在庫処分率が高くなってしまっていることです。それは好調だった2013年3月には大きく上がり、消費増税駆け込み需要のピークを過ぎた10月に下げてしまっていることでわかります。
2013年10月の本来の「土地」と「建物付き土地」の取引量としては、「土地」が推計2万件以上で「建物付き土地」が3万件以上とすると合計で5万件以上あることになります。それが1万3043件では補足率は26%と低くなっています。
さらに、補足データと補足できていないデータの質が大きく違い、統計学的な層化二段抽出法の世界とは大きくかけ離れてしまっていて、「信頼できない数字」となっています。
これはマンションの取引が大手業者が中心であるために社内でデータ生成しているのでデータの補足が容易であるのですが、土地や一戸建ての取引は中小零細業者がほとんどであるために成約情報を社内データ管理していないところが多いので補足率が著しく下がるという業界構造にあります。
ですので、世間相場感覚とすれば「マンション価格は上がっている」+「土地はもっと上がっている」が正しい姿です。