投稿日:2014年1月24日
一戸建てで中古になっても価格が下がりずらいと、住み替えなどの時に次の住宅購入資金の頭金となり、自分のライフスタイルに合わせた住み替えがしやすくなります。ただ、郊外一戸建ては築20年の中古となると建物は原価償却が終わりほとんどゼロ査定となり、土地の路線価格相当が銀行査定価格となります。そのために住宅ローン残高の方が多いということがあり、住み替えのためには別途現金を用意しないといけないということになり、売却できずに住み続けるしかないということが多くあります。
ところが人気のある駅などは、住宅ローン残債よりも中古価格が高い「資産高がある」ものが多く、さらには新築価格よりも中古価格が高いという「収益性のある」ものもあります。アトラクターズラボの戸建てデーダベースから新築戸建て分譲の契約価格と中古戸建て契約価格を比較してみると「収益性のある」駅が抽出されました。
そのベスト10は
一番は鎌倉駅となりました。津波被害予測などの影響で新築価格が安くなっているということとがありますが、それにしても中古価格が高くなっています。歴史のある土地でありながら、小町通りのように人気のショップも多くて「鎌倉マダム」と言われるように、熟年の奥様に人気の立地であることが大きいです。「定年後は鎌倉でゆったり暮らしたい」と思わせる街であることが大きいです。その同じ理由で、ベスト10からは漏れましたが、「稲村ヶ崎駅」や「北鎌倉駅」なども中古価格が高くなっています。
二番目には成城学園前駅となりました。これは新築平均が6214万円でそこそこの値段でありながら、中古価格が7537万円と高いことによるものです。世田谷区という日本で一番の人気行政区の中でも人気の駅であるため、移住希望者が多いことが中古価格が下がらない要因です。また田園調布のように地区建築協定があり、新築が建てづらいということもなく、駅徒歩20分前後で新築が多いということも新築価格が比較的に安い要因です。そのため世田谷区は6位に「用賀駅」、7位に「二子玉川駅」そして、9位に田園調布駅と4つの駅がランクインしています。
その田園調布は新築平均価格が7212万円で中古平均価格が7949万円とほとんど変わらないため、土地価格が高止まりしていると言えます。地区建築協定で乱開発ができない土地であることが大きな要因です。そして、何より日本ナンバーワン人気の住宅地ですから、住む人に誇りがあり、まさしく「閑静な街並み」で住みたいと思う人が日本一であることが土地価格が下がらない要因です。
また4番目の吉祥寺駅も最近のアンケートでは「住みたい街」ナンバーワンになっている駅です。駅前は最新のオシャレなショップがたくさんありますが、それでいて駅徒歩20分くらいになると閑静な街並みとなります。それが人気の要因です。
このように「収益性」というのは、吉祥寺駅徒歩20分で新築一戸建てで6108万円で買ったとすると、35年ローンで20年間住宅ローンを払うと残債は2800万円くらいになります。それで中古として7144万円で売ったとすると、手元に4344万円残ることになります。つまり6108万円投資して、20年間の利益として4344万円戻ってくるので20年間平均で3.5%の利息収入を得たのと同じになります。さらに言えば、その間の家賃はタダですのでさらに収益性は高かったといえます。
ただこれらが成り立つには新築価格が安いというのが大前提となります。現在の中古戸建ての元々の土地価格が20年前の1993年はバブル崩壊直後で高かったということがあります。今後の20年というと土地価格は基本的には人口減少の影響で下降傾向にあると考えられるので、中古価格は下がると考えられます。
そのため「収益性のある」までの土地は田園調布などの一部としても、「資産性のある」土地は必ず存在します。そのポイントは20年後に人気のある駅であるかどうかです。地方からの賃貸流入者が「住みたい街」であれば確実に資産性は出てきます。その「人気」をどうみるかが新築一戸建て分譲選びで「得するか、損するか」の分かれ道となります。