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国連の幸福度ランキングで日本は43位。

投稿日:2013年12月26日

国連による、日本人の幸福度の世界ランキングは国連加盟の中の156ケ国中の43位になってます。「そんなに低いかな」というのが最初の感想です。

一位はデンマークで、二位はノルウェーで、三位はスイス、四位はオランダで、五位はスウェーデンとなっていて北欧の国が多いのが特徴です。先進国ではアメリカが17位、イギリスが22位、フランスが25位、ドイツが26位など日本より上位になっています。また、アジアの国では、シンガポールが30位、タイが36位、韓国が41位、台湾が42位、中国が93位となっていて、日本より幸福なのがシンガポール・タイ・韓国の3ケ国となっていて、少し納得がしかねるところです。
その評価項目は①Social support(社会的支援)、②Freedom(自由)、③Corruption(汚職・贈賄)、④Donation(公共福祉への寄贈)、⑤Generosity(気前の良さ)、⑥Positive
affect(肯定的な影響)、⑦Negative affect(否定的な影響)、⑧Happiness(幸福)、⑨GDP per capita(一人当たりのGDP)、⑩Healthy life expectancy(健康寿命)の10個です。日本の評価は①0.908(一位デンマークは0.963)、②0.780(デンマークは0.937)、③0.727(デンマークは0.176)、④0.284(デンマークは0.629)、⑤-0.118(デンマークは0.222)、⑥0.789(デンマークは0.776)、⑦0.178(デンマークは0.179)、⑧0.786(デンマークは0.647)、⑨30478(デンマークは32333)、⑩75.134(デンマークは71.228)となっていて、一位デンマークとの差があるのが④Donation(公共福祉への寄贈)と⑤Generosity(気前の良さ)と⑦Negative affect(否定的な影響)の3つです。ただ⑨の一人当たりGDPと⑩の健康寿命を除く定性要因のトータルスコアで日本は4.334でデンマークは4.529なので、それほど大きな差はないと言えます。

その定性スコア合計で高いのがアメリカです。定性スコア合計で5.236と数少ない5点台になっています。そのアメリカと日本の差は④Donation(公共福祉への寄贈)、⑤Generosity(気前の良さ)が大きな差となっています。アメリカは成功者が福祉施設などに寄付する文化があり、それが貧しい人でも最低限の暮らしをおくれるのです。また教会などが、「迷える子羊に、神様が救いの手を差し伸べてくれる。」のです。この精神的・物質的な最後の支えを富裕層が支えていて社会的バランスを保っています。

逆に、トータル順位では日本より上でアジア最高になっているシンガポールは一人当たりGDPが高いために順位が高いのですが、定性スコアのトータルは3.309と低くなっています。特に③Corruption(汚職・贈賄)が0.075と極端に低くなっています。シンガポールの政権は一党独裁で言論統制も厳しく「明るい北朝鮮」という批評もあるためです。

日本の特徴は、①Social support(社会的支援)が0.908と高くて国民皆保険の健康保険制度による世界ナンバーワンの長寿国であること。③Corruption(汚職・贈賄)が0.727と高くて、自努力で社会的成功を手に入れられる職業選択の自由があることです。そして低いのが④Donation(公共福祉への寄贈)、⑤Generosity(気前の良さ)⑦Negative affect(否定的な影響)です。これらの意味するところは、核家族化による社会的小集団の崩壊による精神的存立基盤の弱さです。それと貧富の拡大による階級社会化です。

これらの原因として、農村共同社会の崩壊と高度成長による企業組織歯車化と大都市マンション密封社会がもたらした「生きる意味の喪失」と「希望の持てない社会」感の蔓延です。

東大に入れば社会的に成功するのだが、東大に入るためには教育環境・立地と学習機会・意欲促進に数千万円の先行投資が必要でお金がかかるため、貧しいと成功のためのルートにさえ入れないために限定的な職業・会社にしか就けないのと、成功のための資格を得られないことが多く、最初からあきらめてしまい、それが親の収入と住居の所在地で決まってしまい、親子連鎖してしまうのです。社会的なルールとすれば、個人が努力すれば誰でも東大に入れるのですが、小学校以前の「お受験」の段階から階層化しているとあきらめているのです。

また、核家族により、精神的発達にかかわるのは「親」と「教師」だけになってしまい、その両者が子供の発育と向き合う時間が少ないために、社会共同体で生きるための人間性・社会性が養われないままに、身体だけが大きくなってしまっています。そのため、自分一人の心で解決できない「自分に対する攻撃」や「障害」や「問題」が起きると、精神崩壊して、自分を守るために、自分の殻に閉じこもり、何も見ない聞かないで、他人に意見や社会道徳など無視するという状態になってしまいます。それらは、上司から怒られたとか、他人から皮肉言われたとか、他人の幸せが羨ましくて自分が情けなくなる、などのちょっとした日常からくるものが多いだけに、精神疾患になっている人が日本人の1割を超えるということになってしまっています。その最終結果として「自殺」するか「犯罪」を犯すというものが待っています。

これは「神様の救い」が無いので、最後の心の拠り所は、親しかいないためです。ただ、この親が精神的に未熟であることが多いため、最後の救いのない社会となってしまっています。

農村共同社会のときは、地域集団で仕事をして、子育てをしていました。何かあれば、地域に戻れば、そこは「母なる故郷」で安息の地となっていたのです。これは聖徳太子の時代に始まった日本の文化の「和をもって尊しとなす」から始まって1400年間続いてきたものが、戦後の高度成長で崩壊し始めたので、この「都市核家族文化」はわずか40年くらいしかないと言えます。

これが日本文化として成熟するとは思えず、農村共同体に代わる地域文化を作らないといけないと思います。

貧しい家庭に育ったが奨学金をもらってハーバード大学に入り、起業をして社会的成功を納めて大富豪になるというアメリカンドリームが日本にもあるといいです。故・ステイーブジョブスを日本でも生み出す社会文化であって欲しいし、失敗しても復活できる社会文化であってほしいと思います。これほどの大成功をおさめなくても、小さな希望を持ち続けることが出来る「希望の国日本」であって欲しいです。

それが日本の幸福度が高くなる道だと考えます。

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