投稿日:2013年12月21日
大阪ガスが今期決算見通しの中で、アメリカのシェールガス開発での損失を290億円計上することを発表しましたが、シェールガスの開発リスクが改めて問題となりそうです。
大阪ガスはアメリカのテキサス州西部の「ピアソール・シェールガス・オイル開発プロジェクト」にキャボット・オイル・アンド・ガスから権益の35%を330億円で取得していました。その鉱区からの販売高が想定の14%程度と大幅に少なくっていて採算が取れていません。地下3300メートルの深いエリアで地層に難があるため、現在の掘削技術では経済性に見合った量がとれないためです。
「ゴールドラッシュ」と言われているシェールガス革命ですが、全ての開発がうまく行くわけではないという現実が初めて示されました。となると、他の日本企業が投資している鉱区がうまくいくかどうかは、やってみないとわからないということになります。
掘削技術の発展で革命がエネルギー掘削に革命が起きたというのが「シェールガス革命」で、開発投資の経済性が高いという評判だったのですが、全てがうまく行くわけではなく地層により経済性が取れない場合があるということが初めて表面化したのです。
そしてこの「シェールガス革命」でアメリカ経済は潜在成長性が格段に高まったのですが、その見直しがされるとなると、アメリカ経済の潜在力ははるかに低くなり、「双子の赤字」が喫緊の問題となってきます。
まずはアメリカ政府の「財政の崖」の問題がリーマンショックを超える金融ショックを起こすことになってしまいます。なにしろ世界中に大量にあるアメリカ国債が「財政破綻」となりジャンク債扱いとなると、世界中で莫大な「損失」が発生します。なにしろアメリカ国債の発行残高は1700兆円あるのですから。リーマンショックの約60兆円の30倍です。また世界経済全体が約7000兆円ですからその2割くらいが消えるわけです。
できうれば、日本企業の開発している鉱区は良く無いところで、大阪ガスなどは騙されただけでアメリカ内部企業の鉱区は問題無いことを祈ります。