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中古一戸建ての10月の契約は前年同月比マイナスとなった。

投稿日:2013年12月6日

中古の一戸建ての10月の首都圏の契約戸数が4022戸で前年同月比▼3%と前年同月より減っていて、消費増税駆け込み需要やアベノミクスによって増えてはいません。新築一戸建てに駆け込み需要が集中してしまっているためです。

中古一戸建ての契約戸数を過去1年の月別にみると

昨年の10月は4144戸であり、11月4989戸と増えて、12月は6011戸と最近の一年間の最高となりました。ところが反動減が1月にきて3000戸以下に落ち込みました。この12月・1月・2月の3ケ月平均では4009戸なので月の凸凹はありましたが、年末年始の関連を考えると通常の範囲内の季節要因ともいえます。ただ新築一戸建てがアベノミクスや消費増税による新築の契約が大きく増えたことに比べると伸びは少ないです。

平成25年度に入り4月は3920戸でその後10月までの契約戸数の平均は3957戸で、これも例年並みといえます。むしろ10月は前年同月比でマイナスとなったので、例年並みから少し少ないとも言えます。

これは新築一戸建てが消費増税駆け込み需要で大きく契約を増やしているからです。

価格帯別の契約個数の推移を見てみると興味深いことがわかます。

中古戸建ての契約において、1000万から1999万円の消す約が一番多いのですが、その動きに対して、1000万円以下の動きはほぼ同じ動きになっていて相関係数は0.969とほぼ完全に同じ動きをしています。ところが2000万から2999万円は相関係数が0.781と下がっています。同じ傾向であるのは確かですが、微妙に動きがズレています。

2000万円から2999万円台の契約が1000万から1999万円の動きと比べると、8月の契約戸数が全体の動きに比べると2割ほど少なくなっています。また10月も1割ほど下がっています。

この2000万円台の契約の平均建築年は1995年で築18年になります。ですので建物評価はほぼゼロになります。実際の契約の土地が平均で122㎡ですので公示地価の平均が㎡30万円なので、122㎡×30万円×70%=2617万円となり、ほぼ土地のみの評価となっていることがわかります。

つまり中古住宅は1995年のものが多くて土地値なのですが、新築一戸建ての2000万円台の契約は土地の平均が116㎡ですので少し土地が小さいくらいで、新築の建物がついているため、単純言えば新築建築費用の1500万円安いともいえます。

現道に言えば中古の方が立地が良いので単純比較はできないのですが、建物性能と「新築信仰」というもので、同じ価格ならば新築を選んでしまうのです。

ところが2000万円以下では新築一戸建てであまり良い立地のものは多くありません。また、自分が住んでいる所で買おうと思っても新築一戸建てで2000万円以下はほとんどありません。そのために2000万円以下は一定の需要があるのです。

つまり2000万円以下は中古市場が成立していますが、2000万円台し新築に市場を取られてしまっているといえます。

一戸建て全体で言えば、2000万円台の需要が最も数が多いために、新築一戸建てはそのボリュームゾーンの需要をとらえて契約を大きく増やしましたが、中古一戸建てはそのボリュームゾーンをはずしているために契約が伸び悩んでいるといえます。

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