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新築一戸建ての資産性。単純に土地があるからではない。

投稿日:2014年3月6日

新築一戸建て分譲の資産価値について考えてみます。
従来は土地があるからマンションよりも資産性で有利と言われていました。
それは土地の価格があり、流動性があることが前提となります。
ところが、需要がなくなれば土地の価値はなくなり価格はつかなくなり、換金できなくなります。
たとえば、鉄道が廃線となりバスもなくなると、そこに新たに住みたいと思う人はいなくなり、売って移転したいという人だけになり、土地は売りだけあり、買い手がいないため取引が成立しません。路線価はあるので固定資産税的な価値はあるのですが、流通性が無いために金融的な価値は無いということです。
これは地方の過疎地だけの問題ではありません。首都圏においてもあることです。
昭和40年代に開発された首都圏郊外の駅からバス便の大型戸建て団地は多数あります。それが新規開発されずに居住者が高齢化していき、死亡や施設入所や子供と同居などで人数が減るためにバス便も減り、スーパーも撤退し、生活の利便性が悪化したために、そこで土地を買いたい人はおらず、路線価はあるのですが金融性は無いといえます。
実名は出しませんが、このような団地をいくつも知っています。

逆に、世田谷区のように人気がある立地は、駅から遠くても人が住みたがるので需要があるので、空き地が出ると個人で買いたい人がいますが、不動産投資資金が入り開発が行われることもあります。となると、土地は中古住宅でも売買成立し、解体して土地としても売買されるため流動性が高く、金融性が高いといえます。となると需要供給バランスにより決まる古典経済学的価格形成にとどまらず金融工学的な価格形成をします。そのため路線価とは全く違う価格形成となり、買った価格よりも高くなるという「高い資産性」となります。
三鷹市などはリーバースモーゲージがありますが、この金融工学的な価格形成がなされているためです。

つまり土地の資産性は、「人気」に強く影響されるといえます。ただ短期的な風評による人気ではありません。戸建分譲の中古としては20年後が最も多く、あとは35年の住宅ローン終了なので、資産性を考える期間は20年から35年といえますので、短期的な風評は間違いの元となります。
そして「人気がある」を経済学的に言えば「人口流入による需要創造」があるということです。特に「28歳から39歳の住宅一次取得世代の人口流入による需要創造」が新築一戸建て分譲の資産性に強く影響するといえます。
「28歳から39歳の住宅一次取得世代の人口流入」を生むには、「子育てに良い環境」であることが重要で、それは一番には「教育環境が良い」、二つ目に「公園や自然などの環境が良い」で、三つ目に「防犯などで安心・安全」と四つ目に「地震災害リスクが低い」などです。
さらに「おしゃれな商業がある」や「交通利便性が高い」などがあるとさらに資産性は高くなります。

これらの条件を満たして資産性が確実にあると思われるのが首都圏の主要駅商圏の中の15%以下と計算されました。
逆に資産性が無いと計算されたのが首都圏で30%はありました。
ですので現在販売中の戸建分譲の3割は資産性の無いもので、資産性がありリーバースモーゲージともなりえるのが15%あります。
このように新築一戸建て分譲の資産性は単純なものではありません。住宅経済学的にしっかり分析しないといけません。理論を知らない不動産屋の「土地があるから資産性があります」といったテキトーな言葉をうのみにして、後々後悔するのは本人です。

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