投稿日:2013年8月13日
新築一戸建て分譲住宅の購入に当たり資産価値を真剣に考えている人は少ないと思います。また、資産価値を考えようとしても簡易な方法しかわからないことが多いでしょう。
一戸建ての場合の資産価値の大半を土地が占めることになります。ただ、その土地の価値があるかないかが問題になります。
ほとんどの人は、「路線価」もしくは「公示地価」で判断しようとします。これらはそれぞれ目的のある「価格」なので「資産価値」としては使えません。
「路線価」は相続の時の計算に使うものですので、実勢の土地の価格とは関係ありません。ただ銀行が土地の担保価値として計算する時に仕様しますので、銀行査定に左右される場合は「路線価」に左右されます。この銀行査定に左右される場合というのは、中古住宅や土地を購入する時に購入者が購入額の大半を住宅ローンに頼る場合です。新築一戸建て分譲住宅の住宅ローンの場合は、銀行査定もされますが主に購入者の支払能力を重視します。そのため新築一戸建てと中古住宅の場合では住宅ローン査定根拠が違うのです。
次に「公示地価」ですが、これは主に行政が都市計画税などを計算するために使うものです。路線価よりは実際の地価の動きに近いですが、調査地点が少ないのと、実際の取引事例をつめていないために、全体平均・平準を重視しますので実勢価格と違う場合が多いです。それは人気のある土地とか人気の無い土地というようなものがある場合に大きく変わります。
つまり新築一戸建ての土地の資産価値の判断には実勢価格を使うことになります。ただ、これはあまり参考になる指標がありません。実際の取引事例というものが、ほとんど公的機関に報告されないためです。現状で言えば、実際の取引事例の3割程度が報告されているのみですので、国土交通省の調査地価や都道府県の調査地価も遠からずとは言え、近いとはいえません。どうしても調べたければ私のようなビックデータを持っている人や機関に頼むしかないでしょう。
それで、この実勢価格を把握できたとして、大切なのは「購入した時よりも20年後に高くなっている」ということです。
2012年の地価というのは概ね1985年の地価と近いものがあります。その1985年の時には坪50万していたのに2012年では坪30万円に下がってしまっている場所があります。それは郊外の横の路線の駅バス便が多いです。
逆に1985年には坪50万円だったものが2012年には坪70万を超えている場所があります。都心ターミナル駅に一本で行ける路線で駅徒歩15分以内で生活インフラが充実してきた街などです。
そのために必要な条件は
① 人口流入が多い。特に25歳から39歳までの住宅一次取得人口。
② 生活インフラが充実している。学校・商業・公園など。
③ 都心ターミナル駅へ一本の路線で行けて、駅徒歩15分以内
④ 供給が少ない。街区がすでに整理されているなど。
⑤ 震災被害が軽微であると予測されている。
これらを全て満たした土地は2012年の地価は1985年よりも高くなっています。そして、この先の20年後は現在よりも高くなっている確率が高いです。
次に新築一戸建ての資産価値として建物の価値があります。
これは現在では減価償却法で査定されるために、どんな建物でも経過年数で価値が下がってしまい、20年経つとゼロと査定されてしまいます。ただ、最近の建物の性能・機能は20年前の建物よりはるかに良くなっているために、この先もこの原価償却法で査定されるとは限りません。
200年住宅と呼ばれた時期もありましたが「長期優良住宅」などはメンテナンスさえすれは100年は楽々持ちます。とすれば20年償却では無く、100年償却となれば価値の減衰は一年に1%と現在の1/5までに減り、建築後20年で元の価値の80%が資産として残ることになります。これは現在、国土交通省で検討されていて、来年に試験的に実施されて5年後には本格施工される予定です。
その長期優良住宅であれば、資産価値は保たれます。
そのために必要な条件は
⑥ 長期優良住宅認定もしくはそれに準じた住宅であること。
⑦ それを示す書類があること。性能評価書や構造計算書など。
⑧ 必要なメンテンナスを行うこと。外壁や屋根の防水など。
⑨ それらメンテなどの記録があること。住宅履歴システムなど。
以上全てを満たす必要があります。
この9つの条件を満たした新築一戸建て分譲は買った価格に限りなく近い額で20年後に売却できます。
特にその中でも首都圏全体で人気の高いエリアであるとその確率は100%を超えるものとなり、買った価格以上で売れることがあります。
その新築一戸建て分譲は「個人年金商品」と同じということになります。
例えば7000万円で新築一戸建て分譲を買って、20年間住宅ローンを払うと4000万円払うことになります。そして1億1000万円で売れれば、手元には7000万円残ることになります。またリバースモーゲージとすると7000万円相当の年金を受け取れるのです。
このような新築一戸建て分譲住宅は現在販売中の1%未満ではありますが、実際に存在します。
そこまでいかなくても、3500万円で買って20年間ローンを払って、3000万円で売却すれば手元には1500万円残ります。これは良い退職金となり、老後資金として貴重です。
これは「退職金商品」と言えます。この新築一戸建て分譲住宅が現在販売中の約5%程度あります。
このように新築一戸建て分譲住宅は資産性のあるものがあります。
2013年現在の販売中で計算すると
一番は「年金性商品」で全体の1%以下です。
次に「退職金性商品」で全体の5%程度です。
あと「貯蓄性商品」が全体の30%程度です。これは売却時に若干の利益が出ます。
そして「償却性商品」が全体の20%程度です。これは売却時に残高ゼロです。
最後に「掛け捨て性商品」が全体の40%程度です。これは売却時に住宅ローン残高が多くなるものです。
現在の新築一戸建て分譲というのは資産という面からすると、ここまで大きく価値が変わってしまいます。しっかり選んで「賢い買い物」をしてください。