マイスターインストラクション

液状化と不同沈下、最近の話

投稿日:2011年12月13日

最近、液状化対策の話がマスコミを賑わしています。
ただ、大きな間違いがあります。

まず「液状化」と「不同沈下」を混ぜて話しています。
支持層まで杭を打つと確かに不同沈下は防げます。ただ液状化は起きます。
建物がささえられているだけで土壌の水分はのぞかれていないためです。液状化を防ぐには支持層までの間の土壌の水分を全て吸収するか、砂層を全て入れ替えるなどしなければなりません。ただ、水分の多い地下水の層は20メートル前後が多いため、土壌を全て入れ替えるのは大変なことです。
また、今回の東日本大震災で液状化がらかったら大丈夫というのも間違いです。いつ起こるかわからないと言われている「房総沖地震」がきたら、長期波動による土壌の横ズレは10メートル近くなる可能性があります。
それに耐える地盤は昔に海であったところはかなり厳しいといえます。
液状化マップで危険と言われているところは「液状化」がおきるといえます。
その時困るのは、水道やガスなどのインフラです。
ですので、問題は水道やガス管の耐震対策といえます。古い直結管ではなく、横ズレにも耐える新しい管を使えば良いのですが、それでも東日本大震災で起きた10メートル近い横ズレに耐えるのでしょうか?
つまり液状化対策は、今回の東日本大震災・M9の「想定外」に準ずる、「房総沖地震」がくるとなると、何をもって十分であると断言はできないということです。

ですので、「不同沈下」がおきないように対策を行うことが大事です。
そのうえで、インフラが長期間停止することを想定した善後策を考えておく必要があります。
不同沈下を防ぐにはベストは「支持層のまでの杭うち」です。その他は、その土地の地層により効果は様々ですので一概には言えません。
インフラ対策は、発電機・浄化装置・簡易トイレなどが考えられますが、各戸単位で用意するとなると高いものもあります。防災は費用がかかります。
それでも、イザという時の安心感にはかえられないかもしれません。

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