投稿日:2016年12月19日
ホワイトクリスマスが間近です。冬は雪が降って、白が似合う季節です。
クリスマスツリーに、サンタの贈り物に、ケーキに七面鳥という、「赤」もあり「紅白」ともいえる明るい白です。
ただ「白」は古来の日本では秋の季節用語で、「白秋」ともいいます。
中国の古代の陰陽五行思想が起源で、白とは本来色の無い透き通るようなものを指し、秋は無色透明な寂寥感を漂わせる季節とされています。
そのため俳句の季語おいて「色なき風」は秋を指します。澄み切った大気の中を吹き渡る風は爽やかで、透明感を感じさせるからです。
クリスマスという西洋文明ともいえる現物主義では白は冬ですが、姿の見えない「風」に白を感じる精神文明ともいえる東洋思想では白は秋です。
大量生産大量消費により物質をたくさん持つことが幸せの象徴である20世紀西洋文明から、観光資源など無い里山の「色なき風」に幸せを感じる和文化に時代が返っているような気がします。
高気密高断熱で24時間換気でエアコンの中でのクリスマスが今の一般的風景ですが、古民家で厚着でいろりを囲み鍋をつつくのは「粋な」風景です。
太陽光発電+コジェネによるゼロエネルギーハウスを国土交通省は推進していますが、古民家再生が日本らしい地球環境に良い住宅政策だと思います。
それは立地などで一般的な住宅となりえないとしたら、住宅密集地にある木造住宅の再生において、高気密高断熱化ではなくて、「色なき風」を感じ「精神文化的幸せ」を感じることのできる「高耐震不燃化低気密低断熱住宅&コミュニティ」が良いです。
機能・コスト優先でなくて、「環境と共に住むことの幸せ」を感じることのできる住宅が、今の時代として求められている住宅ではないでしょうか。