投稿日:2016年7月21日
本日、雑誌記事の取材で、注文住宅の展示場と戸建分譲のモデルハウスを訪問しました。
商品の考え方や営業姿勢に大きな差を感じてしまいました。
注文住宅は「夢」を売るのですから、実際の建物より大きく豪華で、インテリアや雑貨もおしゃれです。
方や戸建分譲は実際の建物であるために、100㎡くらいと普通の大きさで、インテリアも最小限で、実生活に即したものです。
それは「良し悪し」があり、それ自体は問題ではありません。
大切なのは、その商品を買っていただける一人のお客様にとって、その商品はどのようなものであるかということです。
例えば、戸建分譲のモデルームの2階バルコニーは決して広いとはいえませんでしたが、隣の住戸の屋根形状が考えられていて、日当たりが良くて洗濯物がすぐ乾きそうです。さらに、大型分譲地内ですから、一般道路から洗濯物を見られることも無く、プライバシーが保てます。これは戸建分譲の良い点ですが、販促物はそれに全く触れておらず、営業も話しませんでした。設計者はある程度考えて作っているのでしょうが、営業や販促担当者は個々の号棟について深く考えてはいないようです。でも、そこの号棟を買うお客様にとっては、とても重要なことです。
教育の差や待遇の差や販売形態の差やノルマ・忙しさの差があるのはわかります。自由設計=オリジナルと型式認定=工業製品の差があり、住宅を売っているのが不動産業であるという自己矛盾もあります。しかし、それが接客の差になってしまっては、お客様に見透かされるだけです。
「住宅は人生で最も高価な買い物であり、人生・家族に大きな影響を与えるもの。」であれば、いろいろな業界の優秀な営業よりも、丁寧で真摯で熱心にお客様に向き合うべきと思います。
そしてお客様は万能や神様でもありません。ファーストバイヤーが多いために、ネットにのっているだけの偏った知識しかありません。
マスコミは首都圏直下型地震での死者人数とか倒壊住宅の棟数などを報道していますが、最も重要なのは、地震後に倒壊はしていないけど「住めなくなる」ということです。熊本地震で「赤紙」が貼られて、困っている人がいるということです。これは違法建築でもなんでもなくて、建築基準法通りで、震度7がおきた時の現在の基礎的な姿です。ということは首都圏直下型地震で自分の家がどうなるかが最も重要です。
このように住宅購入にあたって知るべきは
・地震対策・地盤はどうなっている、津波予測などはどうなっているなど防災面
・日当たりは? 梅雨時や冬に洗濯物は乾くか? 冬は暖かくて、夏は風が通って涼しいか?
・光熱費や税金や修繕費など住宅にかかるお金はどのくらいか
・ゴミの出し方や掃除当番や側溝掃除など町内会のつきあいは
・学校でいじめはないか、登下校は安全か
などなどたくさんあります。それら全てを、丁寧に真摯に熱心にお客様に伝える必要があると思います。
それらを十分に理解していただいた上で、注文住宅がいいか戸建分譲がいいかを考えてもらい、「夢の新築一戸建てライフ」を満喫していただくのです。