投稿日:2015年11月10日
厚生労働省が9月の勤労統計調査を発表しましたが、この夏の賞与は前年比▼2.8%と減りました。経団連の発表では+2.8%だったので、全く逆の結果となっていました。
これでは経団連の発表は世論や政府判断をミスリードします。
企業業績が過去最高となっている中で、労働者人件費総額は1997年をピークに下がり続けています。そのため労働分配率は1997年以降で最低となっています。
ピケティではないですが、資本投下収益率が高くなっても、人民の富には結びつかない現状を表しています。となると、阿部政権の古い経済学者の言う「企業収益が上がれば、賃金が増えて、消費も増える」というカビの生えた理論は崩壊しています。
2015年の日本の現状は「企業収益は最高で、賃金は微減で、消費は微減」です。
つまり企業収益と賃金支払い額は連動性は無いということです。
理由は、非正規雇用が全体の40%超えと労働市場の大きな変化があるためです。正規雇用は企業にとって投資ですが、非正規雇用はコストです。そのため為替差益とか、技術革新による付加価値増でコストダウンによる収益増加と非正規雇用の労働時間はまるで違う指標になっています。
このままではデフレ経済からの脱出は不可能です。
やらなければならないのは企業収益の分配方法の根本的見直しでしょう。それにより「企業収益 → 所得増加 → 消費増加」という理想的サイクルが初めて動き出します。
従業員は全て株主にするなど面白いと思います。
一般資本主義から従業員資本主義に変えたらいいと思います。