投稿日:2015年9月16日
文部科学省より「平成26年度 生徒・児童の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」が発表されました。
暴力行為の発生件数は5万4242件で前年度の5万9345件より減りました。ただ不登校人数は12万2902人で前年度11万9617人より増えました。
暴力行為の内訳では、「対教師暴力」が8835件で、「生徒間暴力」が3万2423件で、「器物損壊」は1万1532件で、「生徒間暴力」が半分以上となっていますが、より深刻な「対教師暴力」が8835件もありました。その生徒千人当たりの対教師暴力発生件数で大阪府が2.16件/千人で全国一位となっています。逆に秋田県は0.01件で全国で最も少ない県となっています。
この全国比較を見ると、「全国学力テスト」の結果と逆比例に近いものがあります。秋田県は全国学力テストでいつも上位にいる県です。さらに上位にいる福井県も暴力発生件数が0.03と全国2位となっています。
これからすると学力レベルが高い県は教師への暴力行動が少ないといえます。つまり教師と生徒に良好な関係があれば、学力は高くなるとも言えます。
福井県の学力の高さを研究した結果として、「規律と共有」ということが報告されていますが、それが数字でも表されたとも言えます。
大阪府などは、いろいろな文化・価値観を持った家族がいるために「規範意識に乏しい子どもや自分の感情を抑えきれない子どもが増えている」ということがあり、地域文化や家庭教育の確立が最も重要で、学校教育を生かす意識と環境づくりが必要でしょう。
福島県は暴力発生件数はほとんど無くて全国トップクラスです。伝統文化に基づく地域教育が息づくためでしょう。ただ学力結果が悪いのは、震災など一時的な不幸なことによるもので、平常化されればいつの日か上位に上がってく
ると思います。
日本人の識字率の高さは世界でも有数で、その基礎は義務教育によるものです。そこにおいて「規律・規範・社会道徳を守った上で、個性を発揮して、研鑽・努力をすれば結果につながる」と思います。
ある有名な歌舞伎役者の言葉で「型を徹底して学んだ上での、型破りは新たな創造につながるが、型を学ばないで型を破るのは「かたなし」ということ」というのが心にしみます。