投稿日:2015年9月9日
ヨーロッパの難民が大きな問題となっていますが、これは3歳児の遺体が海辺に漂着するというセンセーショナルなことがあったためです。
しかし難民問題はこれからが本格的で潜在としては数千万人にのぼると言われています。
そして、それ以上に問題なのが「移民」です。バルカン半島諸国ではそれらが大きな問題です。
ユーロに所属することで、移動が安易になり、ドイツなどの豊かな国に、技術・知識のある人から移ってしまい、国内には空洞化してしまい、経済力がどんどん落ちてしまうのです。
「移民」とは仕事・能力のない人の問題もありますが、技術・能力のある人の移動が大きな問題です。高学歴で英語を話せれば、高い収入を狙ってドイツに行きたがるのは当然の成り行きです。
そして、この問題は身近なところに事例があります。
日本の廃藩置県による移動の自由による、首都圏人口集中です。
大学が東京に集中しているために、高学歴が集まり、それがそのまま東京本社の大企業に就職してしまう。「地方の神童」が全員東京に集まってしまうという構図です。
そのために地方は限界集落だらけとなってしまっています。
日本は地方交付金という形で、なんとか不平・不満を押し込んでいますが、ユーロはそうはいきません。ギリシャの救済に毎年数兆円の支出をすることにドイツ国民は反対です。
つまり今回の難民問題というのは「ユーロ圏思想」に元があるといえます。
歴史的には、ローマ帝国やオスマントルコ帝国などがヨーロッパを支配しましたが、富の分配などで帝国崩壊がおきたのですが、同じことがユーロ圏にもおきているといえるのです。
バルカン諸国の各国をまわって感じたのは、支配されてきた国からの見方がユーロ圏構想に欠けていることです。どうしてもドイツやフランスなど支配する側の国の意見が外に強くでるのですが、支配され続けた国に行ってみて初めてユーロの矛盾を感じました。
クロアチアは比較的な裕福な国ですが、ベンツが走っていても20年前のものです。私が初めてみた30年前も平気で走ってます。ところがフランクフルトに立ち寄ると、新型のベンツのSがたくさん走ってます。この差は歴然です。