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新築一戸建ての2014年の住宅着工は12万5421戸で前年比▼7%減った。

投稿日:2015年1月31日

新築一戸建て分譲の住宅着工の2014年は12万5421戸で前年比▼7%減りました。

この12万5421戸というのは過去20年の平均戸数12万5421戸とほぼ同じです。その意味からは平均的な数字となりますが、人口をもとに計算した標準需要12万戸からすると5000戸・4%多いといえます。さらに、直近の物価動向と消費支出動向を加える修正需要11万戸からすると14%多いと言えます。

平成4年からの新築一戸建て譲の住宅着工戸数を年推移でみてみると、一番多いのが11万戸前後ですが12万戸を超える山が平均を押し上げているのがわかります。

平成6年から平成9年までは平均14万戸と大きな戸数になっています。これは1994年から1997年になりますが、バブル崩壊して土地が急激に下がり買いやすい価格になってきたために、まだ「土地神話」がある人達が「買い時」と判断して動いたためです。

次の山が平成16年から18年までで平均で13.8万と多いです。2004年から2006年は団塊ジュニアが30歳を超えてきて住宅購入適齢期に入ったために増えたのです。一年代190万人超えという巨大な人口の塊が住宅着工を押し上げました。

そして3つ目の山というか峠にようになっているのが平成25年で消費増税駆け込みによるものです。

このように時代的なトピックスがあると戸建分譲の住宅着工は13万戸を超えました。しかしそれ以外の平均は11.6万戸になりほぼ需要に近い数字となっています。

そのため平成26年の数字というのは平成19年に近い環境であつたと言えます。

それは平成18年に団塊ジュニアバブルの最後の年で、平成19年にはその余韻があり需要よりも建てすぎていて、次の20年には11.5万戸とほぼ需要通りとなりました。そして平成21年に在庫過剰なところにリーマンショックがきて、9万戸と大きく減らしました。

つまり平成26年はバブルの余韻が残った年でやや建てすぎで在庫が増えてしまっていて、それを引き継いで平成27年はほぼ需要通りの着工となり、次の平成28年にはバブル崩壊するということになります。

今回のきっかけは、アメリカの金融緩和の終了による金利引き上げを原因としてユーロ危機再燃と新興国の財務破綻などか、原油安によるロシア財政破綻などの要因によりバブル崩壊となるかもしれません。

となると平成28年には10万戸を割る可能性があります。

それがどのようなものになるか平成26年の県別着工ランキングを通じて見てみます。

新築一戸建て分譲の着工戸数でトップは東京都です。前年比5は▼5.7%で全体の前年比よりもやや良い数字です。都心の地価高騰で都心の着工は少なくなっていたり、防災対策や木密問題などで耐震性の強化・地盤強化や耐火性の向上を余儀なくされていて建築費用が上がっているなどのマイナス要因があります。しかし人口流入があり「東京23区」ブランドなどがあるので今後ともに大きなマイナスは無いといえるでしょう。

2位の神奈川県は前年比▼15.7%と大きく減らしました。一番大きな要因は傾斜地の造成・擁壁・地盤改良の費用が高くなってしまい販売価格が地元顧客が買えないほど高くなってしまったことです。これは地勢的にどうしようもないことで、単なる安売りの戸建分譲は事業化が難しくて、広域集客・付加価値創造型の戸建分譲のみが行われるので、着工戸数としては減らざるをえないでしょう。

埼玉県は前年比で▼8.6%と全国平均より少し悪い数字です。建築費が上がってしまったために販売価格が上がったのですが、東京都と比較して年収が低いために住宅ローンが組めなくなった人が多いのです。東京に比べると工場勤務の人が多いので賃上げは微々たるものですが支出は増えているという現在の経済環境の犠牲者ともいえます。そのため現在の経済動向が続く限り、着工戸数は前年マイナスが続くでしょう。

同じことは千葉県でも言えます。たまたま平成26年は前年プラスとなりましたが、来年はマイナスに転じるものと考えます。場所によっては1580万円と格安があるのですが需要量が少ないので供給過剰により契約率は悪いです。東日本大震災以降は人口流入が減ってしまっているのが致命的です。それが改善しないと着工の改善は無いといえます。

そして大阪府が前年▼15%と大きく減らしています。低年収層が住宅ローンをくめなくなっているのが原因です。飲食などはアジア系観光客や移民により底上げしていますが、住宅はそうはいきません。アジア系の人に対して住宅ローンがつきずらいためです。そのアジア系の人が低賃金でも働くために大阪全体としての総賃金が上がらないというジレンマになっています。大企業の正社員の賃金は上がっていますが、その人達の占める割合が少ないことが問題です。大阪府全体の総賃金が上がり、それに対する金融信用額が増えないと着工増は難しいといえます。

このように着工戸数1万戸を超える主力6都府県が構造的な問題をかかえています。そして地方は人口流出となってしまっているために、世帯数よりも多い住宅ストックにより新築着工は抑制されて中古市場になってしまいます。すると着工は10万戸を下回るのが通常となる時代がやってきます。

 

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