投稿日:2014年11月11日
新築一戸建て分譲の最大手である飯田ホールディングスが平成27年3月期の第二四半期の決算を発表しました。注目すべきは営業利益率が4.4%となったことです。第一四半期が4.7%で前期通期が7.6%ですから原価高の影響が出ているといえます。ただ、意外と良かったというのが感想です。
下半期の営業利益の会社予想が3.6%ですから、更に悪化すると計算しています。ただ、私はもう少し下がると考えます。
今回の第二四半期で言えば、消費増税と円安と労務費上昇などによる原価高で販売価格が上がったのですが、需要はついてこないために値下げをして契約・引き渡しをした結果として、そこそこの売上はできたのです。そして、売りやすいものが先に売れていて、多棟分譲の1棟残りなど売りずらいものがまだ残っていて完成在庫となっています。
これは、販売が仲介であると、売りずらい物件は広告・現場待機などをしないことが多くて、売るためには大幅値引きもしくは一般仲介店に広告費支給+仲介手数料3%以上というものが必要となります。するとその物件の営業利益は大幅に低下することになります。
これらがなぜ今回の決算にカウントされないかと言えば、完成在庫は決算短信において、販売在庫としては原価計上されるのみなので、バランスシートにあるだけでPLには影響しないのです。それが引き渡しされると「回収現金-計上原価」が決算にカウントされてきます。つまり、まだ「値引き額」と「手数料」が決算に入っていないのです。
ただ、銀行借り入れが残るので資金回転という側面のみで問題があるといえます。それが時間が経つと現金回収せざるをえなくなり、さらに営業利益を下げるといえます。
そのため下半期の営業利益率3.6%は下振れするものと思えます。