投稿日:2014年10月22日
新築一戸建て分譲の上半期の市場動向で、契約戸数は前年度比▼18%で契約価格は▼2%下げました。その結果から2014年度見込みを計算すると、売上で▼15%減り経常利益で▼72%減り「大幅減収減益」となります。
上半期の新築一戸建ての契約は61000戸で前年比▼18%。契約平均価格は3199万円で前年比▼2%となります。そこから2014年度を見込すと契約は12万戸となり売上は3兆8000億円となり前年比▼15%減ります。経常利益は800億円となり前年比▼72%と大幅減益となります。
契約戸数の12万戸は需要顕在化率からするとほぼ100%なので通常通りと言えて昨年度が多すぎたということです。そして今年度の販売計画が前年度より+5%前後増えているので用地仕入と販売が大きく増えてしまったために、広告販促費と経費が高止まりしてしまい経常利益が大きく減ることになりました。
ただ、土地取得費が上がり、建設原価が上がっているために販売価格が上がっているのですが需要価格が上がっていないために構造的な収益率が下がっています。その市場の需要供給構造を綿密に計算しないと、理論計算以上に経常利益が低下することになります。
同じ契約戸数にしても用地取得から引き渡しまでの期間が延びていますので、広告費や金利や現場管理費などその期間分だけ費用が発生することになり同じ売上でも原価が増えることになり利益率が下がります。
また施工能力が低下しているので、工程管理面でロスが大きくなっています。それにより表面的建設原価にプラスして「見えない原価」が発生しています。それが想定粗利を圧迫することになります。
逆にこれらの直接原価以外のプラス原価をコントロールできれば収益を確保できることになります。
つまり2014年度の「大幅減収減益」時代の中で勝ち抜く企業は「市場・顧客需要供給構造を数字的に把握して、経営計画と用地取得を綿密に行い、建築原価・工程を管理できる企業」ということになります。