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新築一戸建て分譲住宅の価格相場が行動経済学を超えてしまった。

投稿日:2014年5月29日

新築一戸建て分譲住宅の価格は供給するデベロッパーが決める事が多いです。これを経済学的には「供給価格」といいます。
 この供給価格は、土地取得費用と建築費用と広告・販促費と粗利から構成されます。これらの費用の積み重ねなので「足し算」とも言えます。
 ところがその分譲住宅を買う人、つまり消費者ともいい経済学的には「需要者」における価格は自分の可処分所得の中で必須支出額を除いた選択制支出額で決まります。つまり「引き算」と言えます。
 このように供給価格と需要価格の成立要因は全く逆と言えます。

古典経済学では需要供給の均衡は供給量と価格で「神のみえざる手」によって均衡点に向かうとされましたが、現在の行動経済学においては「他人の評価」により決まるといわれています。つまり供給量・額という合理的な数字ではなくて、人気・夢といった非合理的なもので決まっているのです。

そのために供給価格と需要価格の成立要因が違っている時に、それを埋めていたのは
・供給価格  需要価格 の場合は「デベロッパーの建築高効率性」
ということになります。
そして「デベロッパーの建築高効率性」とは、
①開発戸数の多い現場であればスケールメリットで安くなり、固定経費率が下がり、広告・販促費率が下がる。
②年間供給数の多いデベロッパーであれば、建築スタッフを抱えることができて「外注費」でなく「人件費」化できて、中間の利益・非効率性が消える。
③また、業務効率性の高い職人など建築スタッフを抱えることができる。
などができて、建築費用として高効率性のデベロッパーと建築部門を持たない不動産企業とでは20%以上の差がつくと言えます。
 ただ建築は高効率にできても、会社全体の運営のための必要粗利率が大手デベロッパーでは30%以上ですが、スタッフが少ない不動産企業では20%以下となり、その点において10%は埋まることになり、その差は10%前後まで縮まります。
 しかし、開発技術という点で造成や地盤改良となると誰でもできるかというとそうではなくて開発技術をもっている企業は限られます。また開発における資金回転という問題もあります。多くは銀行が融資してくれないために手元資金を使わざるを得なくて、さらに資本回転率の低下もあるので、資金的に難しい企業が多くあります。

 となると、現在は土地価格の上昇と建築コストの上昇により「供給価格 > 需要価格」の時代に入りましたので、これが10%の範囲内の時は大手デベロッパー寡占の時代になると言えます。
 建築の高効率性に加えて圧倒的な広告投下による「ブランド力」と「マーケティング力」により行動経済学的な価値を生み出します。
 それが「新価格」と言われるものでもあります。

しかし、それが20%を超えてしまう「新々価格」となってしまうと需要は引っ込んでしまい、さすがの大手デベロッパーもお手上げです。
 その時に救世主となるのが「投資マネー」です。
一つは、外国の投資マネーです。
円安と政治経済安定性による資産リスクの低さと所有権で投資マネーが入ってきています。これは為替相場などによる国際収益性比較の有利さとキャピタルゲインが狙いですので、変動制が強いといえます。ただ郊外には投資しません。
もう一つは、富裕層の相続マネーです。
これは相続額の評価減獲得のためなので、路線価などによる評価額と投資額のかい離がポイントです。ただ逆に評価減の少ない物件は対象外となってしまい、対象物件が少ないのが難点です。
 そして問題となるのが、本来の投資マネーが価格高騰により賃貸収益性の低下とキャピタルゲインの見込み低下により鈍ってきていることです。

 つまり現在進行中の需要価格の20%を超える「新々価格」となると、通常の経済学の範囲外の基準による投資マネーに支えられるしかなくなり、行動経済的な広告・販促が効かなくなるということです。
 ただ一番の問題は実需が引っ込んでしまい、大都市郊外などの投資マネーが入いってこない立地の分譲住宅は事業見込が立てられなくなっているということです。
 古典経済学を超えて、行動経済学をも超える相場となってしまっています。

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